単一の顧客体験ではなく、それぞれの楽しみ方を想定したジャーニーを設計する
定性調査に同席しながら共感マップを作成したことは、意識の変化に繋がったとサントリーのプロジェクトメンバーは述べている。サントリーの是常氏は、当初は愛着度も飲用量も高い状態になっていただくことがゴールと考えており、いかに多くのお客様にその状態になっていただくかという発想を持っていたという。プレモルメンバーズの使い方や愛着の面からサントリーとして理想的な状態にある顧客層と、今後その状態に移行してもらいたい潜在層をイメージしていたとのことだ。
ところが、定性調査への同席と共感マップの分析を通じて、それぞれが特徴の違う顧客層なのだと次第に理解し、ロイヤルユーザー化を目的とした単一の体験設計を行うのではなく、ユーザーの価値観や状況に応じた複数の体験設計が必要だと考えるようになったという。サントリーの室谷氏は、飲用量は多くないけれど愛着がとてもあるお客様が存在すること、そのお客様が見出してくれているプレモルの魅力に気づけたことが良かったと語る。