松永真理さんにパートナーをリスペクトする姿勢を教わった
笹原:これもiモード時代の話ですが、私はメーカーさんに対してiモードの取扱説明書の要求仕様書を書いていました。これは、どういう取扱説明書であって欲しいかということを記載したものです。そういうものって「何々すること」という感じの、ぶっきらぼうで上から目線を感じる文章なのが社内では普通でした。
あるときに仕様書を松永真理さんというリクルート社出身で情報誌の編集長をされていた方に見てもらったときに、「メーカーさんはパートナーさんなのよ。こういう書き方をされたら、あなただったらどう思うの?」って穏やかに諭されたのです。その瞬間は、腹落ちはしなかったんですよ。締め切りもあるし、みんなこういう書き方をしていて、それに倣っただけなのに、と。でも、全部書き直しました。ちゃんとリスペクトをもって丁寧な言葉に直したんです。それを書いてみて、これがあるべき姿だなと思いました。