横河電機流の両利きの経営の基礎となる“三階建て”のイノベーション活動とは
これほど様々な活動をマーケティング本部主導で行うには、CMO(Chief Marketing Officer)の役割が非常に大事だと阿部氏は指摘する。そして、CMOは新たにCCO(CMO Collaborator)であるべきだと唱えた。CCOはCMO+CAO(Chief Alignment Officer)の役割を担い、50%はマーケティング関連、残り50%は社内インフルエンサーとしてCTOやCDO、CIO、CHRO、CFOなど、他のCxOや各本部長への影響力を持ち、重要な組織課題の1つであるサイロ問題の影響を限りなく小さくする役割を担わなければならない。
マーケティングは、経営、事業本部、営業組織、そして社外の顧客、取引先、パートナーといったすべてのステークホルダーにインフルエンス(影響)を与え、マーケティングマインドをもって企業を運営していく存在でなければならない。その考え方を、阿部氏はME(Marketing Everything/Marketing Everywhare)と表現する。そのMEの責任者が、CCOなのである。