重要顧客の定義から考える「ゾクセイの活用」
「自社が“売りたい”商品を評価してくれている」顧客は、あなたの会社の強みを理解してくれている顧客です。その商品が、競合商品よりも優れていると評価してくれている顧客は、今後も、末永くお付き合いをしていただける可能性が高いと言えます。
「特定の商品だけでなく、関連する色々な商品を購入してくれている」顧客は、あなたの会社に対する依存度が高い顧客です。ウォレットシェアが高い、という言い方もできます。あなたの会社との取引を切り替えようとすると、いろいろな商品を切り替えていくことになりますし、場合によっては取引先を大幅に増やす必要が出てしまいますので、積極的な切り替えに動きにくいと考えられます。
「しっかりと利益が確保できる形で取引を行ってくれている」顧客は、あなたの会社にとって最も大切な顧客です。いくら取引額が大きくても、値引きが増えると利益は圧縮されます。もちろん、ボリュームディスカウントを行うケースは非常に多いと考えられますが、それでも「正規料金」で買ってくれている顧客をないがしろにしてよいとは言えません。
それを踏まえて、上述した3つのゾクセイは、
- ゾクセイ1)直近3年間で、主力商品Aの購入実績がある
- ゾクセイ2)直近1年間で、購入商品カテゴリが〇種類以上
- ゾクセイ3)直近1年間の総値引き率が X% を下回る
もちろん、この基準があらゆる企業に適用可能なわけではありません。しかしながら、大切なのは、自社にとって「重要な顧客」をしっかりと「定義」することです。今回は、利益率を用いましたが、利益額を重視する、という考え方もあってよいでしょう。あるいは、利益額の経年変化をみて“利益が増えている”ことを重視しても構いません。主力商品の取引額が最も大切だ、という企業もあると思います。場合によっては「問い合わせ数が少ない(手が掛からない)」というようなゾクセイが有効なこともありえます。