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北欧流デジタルプロダクト開発──フィンランド発のReaktorが紹介するデータ活用“3つのポイント”

登壇者:Reaktor Japan株式会社 Risa氏、Winkel Chelsey氏

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試行錯誤なくして成功はない

 3つ目のポイントは「試行錯誤できる環境作り」である。同社では、デザインプロセスでの高速な改善サイクルを実現する仕組みを整え、データに基づく仮説検証を迅速に行える環境を提供している。データの収集や分析に留まらず、実際の成果へとつなげるプロセスを支えることで、効果的なデータ活用が可能になるという。リサ氏は、特に新規事業や革新的なアイデアを生み、実現するには、この仮説と検証を繰り返すサイクルこそが重要であり、そのプロセスからの学びが成功の鍵であると強調する。

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 リサ氏は自身の18年にわたるコンサルタント経験のなかでも、「大成功を収めたと言い切れるプロジェクトは10%に満たない」と指摘する。しかし、残りの90%もまた、「失敗」だったわけではないという。たとえば、プロダクトのリリース日が遅れたというケースでも、そこには「リリースできた」という成功の部分と、「遅れた」という失敗の部分が含まれている。リサ氏は、プロジェクト全体を「成功か失敗か」と白か黒かで分けず、より大きな試行錯誤・改善のサイクルの一環として捉える視点が必要だと語った。

 必ず何かを試せば、そこから様々な学びを得られる。そうした「実験マインド」を持ち、チームとして振り返りを毎回行うなかで、徐々に改善する。「逆に言えば、この試行錯誤を繰り返さない限り、正しい道は見えてこないというのが私たちの実感です」とリサ氏は語る。

Reaktor Japan株式会社 Service Designer Risa氏
Reaktor Japan株式会社 Service Designer Risa氏

 次に、紹介されたのは、アディダスとの10年以上にわたる共同開発の事例だ。Reaktorはアディダスと共にeコマースシステムを構築し、売上に直接寄与するパフォーマンス改善を実現してきた。その際に鍵を握ったのは、改善のためのサイクルの構築だ。

 サイト上でABテストを繰り返し実施するため、まずは丁寧に要素を分解した上で、仮説を立て、その仮説を検証できる形で、それらの要素を組み合わせ、複数のパターンを準備する。そして、それをすぐにテストに移し、データを取得する。データを収集しながら、実験の精度を高め、よりよいプロダクトの形へと徐々に近づいていける。

 さらに、同氏は施策のリスクを最小限に抑えるため、影響範囲を限定し小規模にスタートするアプローチも推奨する。実験を高頻度で行うためには、小さな範囲でまずは試してみることが重要だ。その上で、成功した施策は速やかにグローバル展開し、うまくいかなかったものは迅速に見直す体制を整えることが大切だと同氏は言う。

 アディダスでは、Reaktorの参画後、eコマースサイト上でのリリース頻度は年間6回から200回へと飛躍的に増加した。コードの変更に対してビルドからテスト、デプロイまでを自動化する「CI/CDパイプライン」を構築したことで、改善サイクルを高速で回す体制ができあがったためだ。アディダス デジタルテックVPのフェルナンド氏からも「売上やリードタイムが短縮されただけでなく、開発環境やエンジニア文化も大きく改善された」とのコメントが寄せられていると話す。

 エンジニアやクリエイターはリリースを目指して仕事をしているため、改善頻度はモチベーションに直結している。リサ氏は「自分たちの成果が試行錯誤を通して進化することを実感できるのは非常に重要だ」と述べる。

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3つのポイント実現に欠かせない「クロスファンクショナルチーム」

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この記事の著者

雨宮 進(アメミヤ ススム)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Reaktor Japan株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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