“工数”の可視化が利益を生む武器になる
──雨風太陽はfreee販売に並行して工数管理システム「freee工数管理」も導入していると聞いています。freee工数管理の導入経緯も教えていただけますか。
石本:freee工数管理はポケットマルシェの事業で先行して導入していましたが、今年から自治体営業に活用を拡大しました。
元々ソフトウェアの資産計上を始めたのが導入の発端です。ポケットマルシェのシステムは、当社のエンジニアが自社開発しているのですが、その開発工数に対応する開発費をソフトウェアとして資産計上するには、エンジニアの作業工数や作業実績を正確に記録することが内部統制上求められます。
そのため、当初は内部統制強化を主眼にした導入でした。先ほども述べましたが、当社では以前からfreee会計を利用していたため、freee工数管理の作業実績を勤怠データとして連携できる点でも利点を感じました。
──そこからどのような経緯で自治体営業に活用を拡大したのでしょうか。
白井:自治体営業でも営業職の工数の可視化や管理を行いたかったからです。自治体営業のサービスは、販路開拓支援や移住促進支援など、自治体が抱える課題を解決するためのソリューションの種類は多岐に亘るため、以前は案件ごとにどのくらいの工数=“人件費”がかかったのかを把握するのが困難でした。
工数が把握できなければ粗利を管理するのも難しく、利益重視の経営への転換も遠のきます。そこで、freee工数管理を自治体営業向けにも展開し、案件ごとの工数の見える化に取り組みました。
横山:雨風太陽さんは製品の機能に対してアンテナが極めて高いお客様だと私自身感じています。先ほどのfreee工数管理とfreee会計の連携についても同様ですが、個別の機能が自社のどのような業務やシチュエーションに貢献するかを深く洞察されている印象です。
エンジニアの工数管理から自治体営業に活用範囲を拡大させた背景には、そうした雨風太陽さんの視点の鋭さがあるように思います。

営業、バックオフィスの現場で見えてきた業務の“変化”
──freee販売の導入やfreee工数管理の活用拡大で、現場の業務はどのように変わりましたか。
白井:自治体営業については、工数を可視化できたのが大きいです。利用開始して間もないため大きな変化は現れていませんが、工数を可視化できれば、営業の進捗や実績も見えるようになります。
営業職にとっては受注からクロージングまでの発生工数を定量的に可視化することで、先を読んだアプローチを行いやすくなりましたし、マネージャーにとっても実績管理や案件管理が容易になったと思います。
石本:バックオフィスの立場から言えば、以前の販売管理システムで売上を管理していた頃に比べて、定型作業がかなり減りました。
現在はfreee会計、freee販売、freee工数管理とそれぞれがデータ連携しているため、入力や転記といった作業が大幅に削減できています。これらの作業は経理体制の強化のボトルネックでもあったため、今後は業務効率化にとどまらない効果を期待しています。
また、こうした体制は監査対応でも有効です。監査担当者に記録や証憑の提示を求められても、システムが統合されていれば即座に必要なデータを引き出すことができます。上場企業にふさわしい内部統制を構築するうえでもfreeeの各製品が貢献してくれています。
