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入山教授が示す、生成AI時代における経営企画の再定義/丸井やリクルートが挑むFP&A組織の壁

Loglass経営企画サミット2025 レポート

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 2025年7月9日、経営管理クラウド「Loglass」を提供する株式会社ログラスの主催によりカンファレンスイベント「経営企画サミット」が開催され、経営企画部門を中心に4,500名超(オンラインと会場含む)の申し込みがあった。同イベントには元ソニーCEOの平井一夫氏、慶應大学義塾大学教授の琴坂将広氏など、各界の有識者が登壇。変化の時代にふさわしい経営企画のあり方が議論された。そのなかから、本記事では「入山教授と考える|AI時代に求められる『動く』経営企画とは」、「日本企業のFP&A最前線|"立上げ期の丸井グループ" と "進化し続けるリクルート" に学ぶ」の2つのセッションの模様をお届けする。

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会議室を出て、イノベーションを興せ

 「入山教授と考える|AI時代に求められる『動く』経営企画とは」と題するセッションに登壇したのは、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏。モデレーターはログラス 執行役員 CBDOの斉藤知明氏が務めた。

入山章栄
早稲田大学ビジネススクール 教授 入山章栄氏

 セッションはまず入山氏の講演からスタートした。その冒頭、入山氏は昨今の生成AIの台頭について触れ、「これはとんでもない革命です」と述べた。

 入山氏の見立てでは、現在は生成AIの進化の過程における黎明期だ。今後は、特定組織の非公開情報を学習してデータを生成する「プライベートAI」の普及などをきっかけにさらに浸透し、ゆくゆくは企業経営の命運を握るツールになるだろうとした。

 そうした大転換のなかで、経営企画の役割には変化が求められる。入山氏は生成AI時代における経営企画の役割を「イノベーションを興すこと」だと断言する。イノベーション理論の草分けであるシュンペーターが「新結合」と述べたとおり、イノベーションは既存の知識やノウハウの組み合わせにより生まれる。既存の要素同士の結合を促すことこそ、新たな時代の経営企画のミッションなのだ。

 ただし、その実践には壁も存在する。その壁とは「人間の認知の限界」だと入山氏は説明する。

「人間には認知能力の限界があり、目の前のものばかりに注意が向かいます。しかも日本企業は、新卒一括採用、終身雇用で、何十年も同じ環境に囲まれて過ごすので、既存の要素の組み合わせをやり尽くしている。その状態を脱却するには、自分の今いる場所からできるだけ遠く離れて、いろんなものを見て、いろんな人と話して、新たな知識を持ち帰ってくる必要があります」(入山氏)

知の探索と知の深化
クリックすると拡大します

 では、「知の探索」を実践するには、具体的にどのような行動をとるべきなのか。「経営企画こそ、移動せよ」が入山氏の提案だ。日常の業務では関わりのない現場や触れたことのない業界に足を伸ばし、その場の人々と交流し、情報を交換して、コモディティ化していない希少性の高い知識やノウハウを持ち帰る。そうした行動には無駄やリスクも伴うが、それこそが生成AIには担えない役割なのだという。こうしたなかでは、経営企画はオフィスを離れる機会が急増する。入山氏は「これからの時代は会議室からイノベーションは生まれません」と訴えた。

Lograss経営企画サミット アーカイブ配信
本記事で取り上げた「Loglass経営企画サミット2025」は、8/18(月)〜9/7(日)まで期間限定でアーカイブ配信中です。
お申し込みは「Lograss経営企画サミット アーカイブ配信ページ」から。

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“動く経営企画”にしか取れない、探索の失敗リスク

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この記事の著者

島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ログラス

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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