2026年6月12日、ランスタッドは「エンプロイヤーブランドリサーチ2026日本版」を公開した。同調査は、日本の働き手が企業に求める魅力や価値観を調査し、4,464名の18歳~65歳を対象に実施された。今回の調査で、企業を離れる理由の上位が大きく変化したことが明らかとなった。

離職の最大要因は「ワークライフバランスを改善するため(33%)」が初めてトップとなり、従来首位だった「不十分な報酬(31%)」を上回った。次いで「仕事内容への興味の欠如(32%)」や「悪い職場環境(32%)」が続いた。従来日本では報酬面が離職理由の中心だったが、働き手は形だけの制度ではなく心身の回復や柔軟な働き方を求めており、ワークライフバランス実現へのニーズが高まっている。
また、日本の転職市場は依然として流動性が低い。2026年上半期に転職を計画している人は14%、過去半年で実際に転職した人は7%に留まっており、国外と比べても慎重な傾向が目立つ。企業にとって従業員の定着率維持と向上が喫緊の課題となっている。
企業選びの条件では「魅力的な給与と福利厚生(59%)」が1位を守っているが、現在の勤務先を評価する際は「給与と福利厚生」は7位となっており、働き手と企業間で報酬に関する認識のギャップが深刻であることが浮き彫りになった。
世代別の分析では「雇用の安定」を重視する割合は年齢が低いほど下がる傾向が見られる。X世代では53%だが、Z世代では38%にとどまる。若い世代は会社に依存せず「学習・成長機会」や「市場価値(エンプロイアビリティ)」を重視する姿勢が強い。また、ミレニアル世代は「ワークライフバランス」、Z世代は「不十分な報酬」が離職理由の上位として挙げられ、年代ごとに重視する価値観の違いが顕著になっている。
リモートワークについては、少なくとも一部実施している層が約2割にとどまり、一般的な選択肢としては定着していない。リモートワーク未実施の理由で最も多かったのは「職務上、不可能(44%)」であり、現行の職務設計が現場勤務を前提としている日本独特の構造的課題が示された。
本調査は、企業が継続的な事業成長を目指すうえで、従業員のワークライフバランスに対する真摯な対応、世代ごとの価値観への理解、職務設計の見直し、報酬制度の現実的な充足など、多面的な企業変革の必要性を示唆するものとなった。
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