グロービスは2026年、オリックス、JFEスチール、損害保険ジャパン、みずほフィナンシャルグループ、リコーの役員らとともに、パーパス・バリューを起点としたカルチャー変革のあり方をまとめたCxOラウンドテーブル・レポートを発行した。戦略や事業構造を変革しても現場社員の意識や行動が変わらなければ成果に結びつかないという課題を踏まえ、企業が目指すカルチャーをどう育み、現場の行動変容と長期的な企業成長につなげるかを整理している。

同社によると、これまでの日本企業の変革では、倒産の危機や市場からの脱落といった「危機感」に訴える欧米流のアプローチも多く用いられてきた。一時的に業績が回復しても、時間の経過とともに従来の組織行動への揺り戻しが起こり、持続的な変化につながりにくいという課題があったという。そのため近年は、企業の存在意義や共有すべき価値観といった内発的な動機を起点とするカルチャー変革の重要性が高まっているとする。
レポートでは、カルチャー変革を2つの側面から捉えた。創業以来の精神や暗黙知として引き継がれてきた価値観を言語化し、既存の文化や強みを次世代へ引き継ぐ「強化」と、旧来の価値観や行動様式から脱却し、変化を受け入れ挑戦を後押しする新たな組織文化を築く「醸成」である。両者は明確に二分できず企業やテーマごとに比重が異なるため、まず「何を残し、何を変えるのか」を見極めることが重要だとした。

そのうえで、パーパス・バリューを組織の隅々まで浸透させ、実質的な行動変容につなげるには、経営トップ(Top)、ミドルマネジメント(Middle)、メンバー(Member)の3階層に即したアプローチを一貫して講じることが不可欠だと提言。特に「醸成」では、意思決定プロセスや権限設定、評価制度、収益管理といった「仕事のOS」自体の見直しが求められるとしている。
ラウンドテーブルは2025年7月から2026年3月まで実施し、5社のCHRO・CCuOなど人事やカルチャー変革を担う役員が参加した。レポートは同社サイトからダウンロードできる。
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