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“予測は外れる”を前提にした事業計画とExcelによるシナリオ分析

第3部:Excelによる事業利益のシミュレーション(第3回)

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先が見えない事業の前提を“ひとつだけ”とするのは思い込み

 「計画を作る」、「予測をする」というと、ある1組の前提に基づいた1つの答えを出すものだと思い込んでいる人は多い。そのため、「もっとも現実的で合理的な前提は何か」について時間とエネルギーを費やして徹底的に精度を上げようとする。まるで、少しでも厳密性が欠けていたり、精度が落ちていたりしたら、全ての計画が台無しとなるかの如く、“正解(と思われるもの)”を追い求めようとする。

 それでも将来のことは読み切れないので、「本当にこの通りになるのか?」と問われても、「YES」という回答は永遠にできない。そして、せっかく時間をかけて策定した計画に対しても作った自分自身が不安を抱くようになる。

 ではどうするか?

 ここに「予測は外れるものだ」という当たり前の考えを折り込んでみてはどうだろうか。つまり、「1つの前提しか使わない」という思い込みを捨て、いわゆる“下振れ”や“上振れ”の可能性についても、結果のリスクとして可視化するのだ。

 具体的には、もっともあり得そうな標準的な前提に加え、各前提がほぼ全て悪い値になるケース(ここではシナリオと呼ぶ)に加え、全てが良い結果になるケースを作ってみる。Excelでシミュレーションができる準備ができていれば、前提の値を入れ替えるだけで、複数シナリオの結果を得ることは簡単な作業だ。

 前提となる数値は、現実的に起こり得る範囲で両極端な値を考えてみることになるが、機械的な作業に陥ることなく、地に足の着いた現実的な想定(シナリオ)を作ることも重要だ。

 具体的には、同じシナリオの中で使う各前提の値はストーリーとして一貫していることが望ましい。
 例えば、下図のように、それぞれが個別に起こるのではなく、お互いが関連し合い発生することを前提としたシナリオが必要だ。

シナリオ分析1

 個々の前提を個別に置くのではなく、そのシナリオの中で何が起こっているのかをストーリーとして描き、それに沿った各前提値を決めていく。こうすることで、各前提の根拠についてちぐはぐな説明になることを避けられる。

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この記事の著者

柏木 吉基(カシワギ ヨシキ)

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