チーム最少ユニット「ペア」のパターンとマネジメント
本書でチームの最少ユニットとしているのが「ペア」、つまり2人からなるユニットです。本書ではペアのパターンを12個に分類し、4グループに分けています。ペアのパターンの全体像とマネジメントとして必要な要素をみていきましょう。
グループ1:「場面」によって定義されるペア
- 1.0――六時の方向を守れペア
- 2.0――魔法の瞬間ペア
- 3.0――成功の鎖ペア
- 4.0――あっちとこっちペア
グループ2:「類似性」によって定義されるペア
- 5.0――1+1=2以上ペア
- 6.0――カストルとポリュデウケスペア
- 7.0――救命ボートペア
グループ3:「差」によって定義されるペア
- 8.0――陰と陽ペア、8.1――芸術家と後援者ペア
- 9.0――釣り合いおもりペア、9.1――内と外ペア、9.1.1――ファインダーとグラインダー、9.1.2――ピッチャーと野手、9.1.3――探検者とナビゲーター
グループ4:「類似性」によって定義されるペア
- 10.0――フォースは君とともにあるペア
- 11.0――遠くの偶像ペア
- 12.0――剣と楯ペア
本コラムで全てを解説するスペースは無いので、この詳細は本書を読んでいただくとして、章末にある「ペアを機能させる方法」をピックアップしてみましょう。この12パターンと5つの派生系パターンに共通する「3つの重要事項」を念頭にいれておけば、そのマネジメントに役に立つとしています。
- 全てのペアは似て非なるものである
- 相性や直感だけを頼りにペアを組ませてはいけない
- 意外な組み合わせのペアが大成功を収めることも多い
このパターンリストを活かすために、ペアのパターンそれぞれを生産的に活用するために、9つの要素を提示しています。
- ニーズを見極める:特定業務にどんなペアが必要か?
- 環境を整える:1で業務ニーズから考えたペアにとって必要な環境は何か?
- 目標を決める:業務の特性にあわせて決められる目標とペアとしての特性はどうか?
- 測定基準を定める:ペアの特性と矛盾の無いプロジェクトの測定基準はあるか?
- ほどよい距離感で管理する:ペアの特性と適した管理スタイルでマネジメントがなされているか?
- 観察者としての目を養う:ペアを組む前後の個々の状態やペアの状態を適切に観察できているか?
- きっかけを作る:物理的に接近させるなど、ペアが自然発生しうる確率を高めているか?
- 記録を残す:今後に備え、ペアがどのように機能したのか、しないのかを記録に残しているか?
- 変化をマネジメントする:ペアにもライフサイクルが存在しており、そのフェーズ毎にマネジメントを変化させているか?
要は、最少ユニットとしてのペアが機能するためには、そのペアを管理するマネジメントの力が重要になると語っています。次項では、「ペア+1=トリオ」というチームに関して解説した8章のポイント部分をピックアップします。