長期化する就業を支える「加熱・冷却・再加熱」の仕組み
——ピーター・ドラッカーが「職業生活における最も大きな変革は、寿命が延びること」と言っています。長寿命化で就業年数が長くなる時代の到来とともに「採用、仕事、キャリア」の人生における重要度が高まれば、ますます本人にとって「キャリアのストーリーづくり」が大切になってきますよね。そうした環境下で、人事関係者、人材ビジネス事業者などには、どのような役割が求められるのでしょうか。
端的にいえば、キャリアにおける「加熱・冷却・再加熱」を補完することでしょうか。終身雇用制では将来像が予測でき、そこに向かって各自が自動的に加熱していくシステムでした。途中で出世争いにはじかれた人は子会社などのポジションに置いて再加熱するなど、比較的シンプルなストーリーだったと思います。しかし、いまや転職やリストラ、非正規雇用など、キャリアが複雑化し、長期化する中で、それぞれに合った「加熱・冷却・再加熱」を促すのは難しくなりつつあります。