サラリーマンの人生のうち“52日間を経費精算に費やす状況”を改善する
——それぞれは単一の機能に特化したサービスが、連携することによってさらに便利になっているわけですね。利用者の反応はどうですか?
阪尾:
名刺を管理したり経費精算をしたりというのは、誰もが普段やっていることなので、それがラクになるということの良さは、非常に理解されやすいですね。
山田:
最初から「これが欲しかった」というユーザーさんは少ないかもしれません。お見せして初めて、「こんなことできるのか。すごいじゃないか」という話になることが多いのです。特にデータ同士が混じり合ってこれまでとは異なるサービスが生まれるということは想像しづらいところで、まだまだこれから利用が広がっていくのではないでしょうか。
——こういったサービスを使うことでどれだけ生産性が上がるのか、具体的なデータはありますか?
阪尾:
我々独自の調査結果ですが、一般的なサラリーマンは、一生のうちの52日間を経費精算に費やしていて、そのうち12日間は「糊付け」の作業に使っているんです。外出の経費精算の場合、予定表でどこに行ったかを調べ、経路検索で運賃を調べ、経費の入力をし、領収書を糊付けする、といったことに分解されますが、そういった作業を自動化していくと、52日が8日くらいに削減できます。
山田:
経費精算も名刺管理も、こういうサービスを使わないでやろうと思えばできるんですよね。Excelに打ち込むのでもいいわけです。でも、お客様はその作業をカットして自分の得意なことにフォーカスすることで、結果として世の中がどんどん良くなっていくのだと思っています。「餅は餅屋」と言うように、それぞれ得意なところに特化した方が生産性は向上するというのが、経済原理的*1にも証明されています。そういう意味で、コンカーさんも我々もワンソリューションの会社ですが、今後はそういう会社が増えていくのかな、と考えています。
【取材を終えて】多くのビジネスパーソンがさまざまな角度から関心を持つ「働き方改革」。多くの企業が取り組む「生産性向上」において、クラウドサービスが実現できることが多数ある。両社は多くの先進的なサービスの提供により、多くの「働き方改革現場」を、データという定量的な情報、顧客からの声という定性情報を持ちうる立場にある。この両社の知見を、クラウドソリューションのみならず、働き方改革に取り組む責任者や現場のビジネスパーソンにフィードバックする機会があればと思った取材であった。両社の今後の知見の提供に期待したい。
*1:比較優位 経済学者であったデヴィッド・リカードが提唱した概念で、比較生産費説やリカード理論と呼ばれる学説・理論の柱となる、貿易理論における最も基本的な概念。
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