従来の組織図では“こぼれ落ちている”役割を可視化する「進化する目的地図」とは
通常の組織の場合だと、具体的なプランを立てる前に、まずは、経営者の頭の中にあるものを全社員に透明化することが大切です。本当に重要な情報は、経営者の頭の中にあることが多いためです。それを取り出さずにメンバーがプランや提案をつくると、経営者とのズレが生じてきます。考えてみれば当然のことです。また、メンバーにとっては、何が経営者にとっての地雷になるかもわからず、場合によっては提案することへの恐れを喚起させることもあります。そのため、自主的な経営を志向するのであれば、経営者の頭の中を出来るだけ透明化する必要があり、例えば、目的地図(目的俯瞰図)のようなものを描き、誰でもアクセスでき、対話によって更新できるようにしておくことが大切です。つまり、目的地図は経営者のものではなく、組織で常に更新し続けられていく性質のものです。
吉原氏は、ティール組織の前段階である“土台づくり”の半歩として、組織の目的地図(目的俯瞰図)の重要性を語った。土台づくりであるため、今、経営の重心がグリーンにある組織に向けての半歩となっている。一足飛びにティール組織を志向することは難しく、今の文脈に沿った半歩にトライし続けることが実務上は必要となってくる。言わば、組織にとっての新しい旅の始まりである。
目的地図とは、組織の目的を実現するために重要となる行動や内容が書かれたもの。特に重要な行動や内容は指標とすることで、目的実現に向けたプロセスを透明化することが可能となる。