“事業者都合”のデータモデルではなく、“ユーザー都合”のメンタルモデルによる顧客体験とは
桑原氏の話はさらに過去に遡る。桑原氏がまだ東京海上日動に在籍していた2003年頃、各損保会社の競争が激化したことで、サービス改定が頻繁となり、準じてシステムやルールもよく変わっていたという。それにより現場はもちろんシステム部門も疲弊し、大きな閉塞感が漂う中で「こうした事象を変えるためにはどうしたらいいのかを考えるようになった」と語る。
そして、たどり着いたのが「プロセス自体を変えれば全てが変わる」という答えだった。プロセスを変えることによって業務がスムーズに流れ、その先にいる顧客も混乱なく利用できる。その考えのもと、2003年頃にシステムの大改革を行ない、プロセスを変えて大きな効果を得たという。