ユーザー理解から実行・実現に向けて不足しているものとは
ユーザーのことを理解するうえで、カスタマージャーニーマップ(CJM)などのユーザー理解やモデル化の手法を取り入れながらユーザー体験の向上にとり組んでいる人は多いと思います。しかし、せっかくユーザー視点で問題を把握しビジョンがみえても、組織的な壁、部門をまたぐ際の軋轢がネックとなり挫折してしまうケースも多いのではないでしょうか。
サービスの実行においては、一度オペレーションを遂行する組織側に観点を戻し、ユーザー視点とのバランスを取る必要があります。
このようなユーザー体験と組織の課題を考える場合にサービスブループリントを使うことで、ユーザーへのサービス提供に関わる人やデータの流れやしくみを理解することができます。そして、どこに課題があるのかを可視化することができます。また、可視化により組織内外のコラボレーションをする人々の間で、サービス全体像や、サービスがどのように機能する(べき)かに関しての共通認識をもつことができます。
イギリスのサービスデザインエージェンシーのLive|work社が、ノルウェー最大の保険会社Gjensidige向けに作成したサービスブループリントを例にみてみましょう。
Live|work社はGjensidigeと共同して、保険以外のグループ会社であるGjensidige銀行の機能を統合する、というアイデアを実現するためにサービスブループリントを使用しました。それぞれの会社の「バックステージ」の機能をサービスブループリント上にマッピングすることで、機能統合を実現するために何をしなければならないかを皆で話し合うことが可能になりました。