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人事と経営のジレンマ

経営戦略の中で人事戦略が最も重要である──カゴメCHO有沢氏はなぜ「社長の年収」を全社公開したのか?

ゲスト:カゴメ株式会社CHO(最高人事責任者)常務執行役員 有沢正人氏【前編】

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人事は人の一生に責任を持つ仕事。その覚悟はあるのか?

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 荒金泰史氏(以下、敬称略):まず、有沢さんの現在に至るまでのご経歴について、お伺いさせてください。

カゴメ株式会社 有沢正人氏(以下、敬称略):私が初めて人事の仕事を経験したのは、新卒で入った銀行ですね。そこで人事として目覚める、決定的な出来事がありました。

荒金:それは、どのような?

有沢:人事異動や昇進・昇格の担当をしていた頃に、初めて異動を考えるチーフを任された時のことです。大きなホワイトボードに、自分が担当する300人ほどの社員の名前を張り出して、全員の異動を決めていくのですが、先輩に「この人がここに行くのはどういう意味?」「この人を動かさないのはなんで?」「この人はここに異動させて、その次にどこに行くの?」と、一人ひとりについて事細かに聞かれました。

 僕も自分なりに意図はあったものの、途中でその質問に答えられなくなってしまって。そしたら先輩から「お前は人事を辞めろ」と言われたんです。「わかってるか? 人事異動はその人の一生だけじゃなくて、その人の家族や親族にまで影響を与えるんだぞ。その責任感がお前にはまったくない」と指摘されて、ハッとしましたね。あそこが僕の、人事人生のスタートです。

 「人事は人の一生に責任を持つ仕事。その責任感がない人は今すぐ辞めてくれ」――この言葉は、転職するたびに人事部の皆さんに必ず伝えています。逆に、その責任感があるなら、人事の経験がなくても来てもらいたい。

 銀行の時も今もそうなんですが、僕の部下はもともと人事畑にいなかった人間ばかりなんですよ。人事の知識はなくても、彼らは現場を知っている。僕は、現場の苦労を知らない人間は、人事をやってはいけないと考えています。人事のスペシャリストをつくるのではなく、人事のマインドを持った人たちを社内に増やしていくのが、僕の役割だと思っているんです。

有沢正人カゴメ株式会社CHO(最高人事責任者)常務執行役員 有沢 正人氏
慶應義塾大学商学部卒業後、1984年に協和銀行(現りそな銀行)に入行。銀行派遣にて米国でMBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。2004年に日系精密機器メーカーであるHOYAに入社。人事担当ディレクターとして全世界のグループ人事を統括、全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。2009年に外資系保険会社であるAIU保険に人事担当執行役員として入社。ニューヨーク本社とともに、日本独自のジョブグレーディング制度や評価制度を構築する。2012年1月、カゴメ株式会社に特別顧問として入社。カゴメの人事面におけるグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。2012年10月執行役員人事部長、2017年10月執行役員CHO就任。2018年4月、常務執行役員CHOに就任。

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