旧約聖書が示唆する変化の時代への向き合い方
梅本:ちょっと横道にそれてしまうかもしれないけれど、僕は旧約聖書や神話の中に、我々人間の知恵が詰まっていると考えています。旧約聖書の出だしは創世記で、神様が世界を創る話ですよね。その次の章は楽園の描写で、神様は最初にアダムを、その次にエバを創る。二人はエデンの園で幸せに暮らしていたのですが、蛇にそそのかされ、食べてはいけないという知恵の実を食べ、楽園を追い出されます。それが人間の始まりとして描かれています。実はこの楽園追放のとき、神様はエデンの園の東側に自転する炎の剣とケルビムという名の賢い天使を置き、アダムとエバが戻ってこられないようにしているんです。
これには「パラダイムがシフトしたら、もう元には戻れない」という非常に大きな示唆があると思うんです。エデンの園が第一創業の場所と捉えると、我々は今、そこから追い出されて第二創業しなければいけない状況にある。昔の楽園に戻りたいという気持ちがあっても、もう前に進むしかないんです。世界規模でそういうステージに来ているんだ、前に進むことが未来を作っていくんだと考えたほうが覚悟ができるということですよね。