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アマゾン流、新規事業の“考え方”

アマゾン流イノベーションの定義は“一石二鳥の問題解決”──全世界共通の理念と行動原則とは?

第1回

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 誰もが新規ビジネスにチャレンジでき、かつ、失敗のリスクを小さくするのに参考になるような、実践的な内容を本連載ではお伝えします。筆者の13年に及ぶアマゾンジャパンでの経験・実例、そして、2015年に筆者が立ち上げた先駆的なサブスクリプションサービス「スパークルボックス」の体験を共有します。  テクニックやビジネスアイデアではなく、考え方や本質に触れられるように、組織やリーダーシップ論にも触れ、著書『アマゾンで私が学んだ新しいビジネスの作り方』のエッセンスを要約し、著書では書ききれなかった点も解説する予定です。今回は、「新規ビジネス=イノベーション」とは何か、そして、イノベーションを生み出し続ける仕組みは、どのように作っていくのかを、アマゾンの理念や行動原則を中心にお伝えします。

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筆者が取り組んだ、アマゾンで“靴を売る”新規プロジェクト

 新しいビジネスを作ると聞いて、当然思いつくのは「イノベーション」というキーワードです。では、イノベーションとは何でしょうか。

 私がアマゾンでのビジネス実践を通じ体得した定義は、「新規ビジネス=イノベーション」は「問題解決」であり、しかも理想的には“一石二鳥の問題解決”をすることだと言えます。

 アマゾンでは、すべての社員がイノベーションを起こすことを求められます。しかし、自分がどのようにイノベーションを起こせるかという明確な答えがなく、私もどんなテクノロジーを使って顧客体験を向上させるか、ということにフォーカスしていた時期がありました。

 当時、私はシューズビジネスを立ち上げ、通販で試し履きせずに靴を失敗しないで買うにはどうすれば良いか、という課題に取り組んでいました。

 もちろん、自宅での試し履きを促進するために、往復送料無料・180日間返品無料として「試し履きし放題」と大きく打ち出しました。しかし、それでも返品は、お客様にとって面倒な作業になります。

 なんとかテクノロジーで解決できないかと思い、お客様の足のサイズを3D計測し、靴の中を測り、マッチングさせるサービス(ZOZOTOWNの顧客が自宅で足のサイズを3D計測できるZOZOMATのようなもの)を検討したのですが、2008年当時はデータやテクノロジーが不足しており現実的ではありませんでした。

 そこで、フィッティングのスペシャリストを採用し、靴のサイズ感や履き心地のデータを収集し、サイトにその情報を載せることをスタートさせました。

 フィッティングスペシャリストには、日本のシューズメーカーの木型にピッタリの足を持っている女性を採用しました。そのような採用の仕方だったので、私たちは彼女を「シンデレラ」とネーミングしました。シンデレラは、毎日入荷してくる大量の新しい靴に足を入れ、「この靴は少しサイズが大きい。踵は細い」など、靴を履いたときのチェックポイントを確認し、特徴をサイトにアップ。その結果、お客様が靴を選ぶときに参考となるデータを提供することができ、わかりやすい、と満足度と売り上げに貢献することができました。

 また「シンデレラ」という肩書きが珍しく、記事やニュースなどに多く取り上げてもらい、結果として「アマゾンは靴まで売っている」「アマゾンは顧客満足度を上げるためにここまでやっている企業だ」といことを多くの方に伝えるきっかけにもなりました。

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この記事の著者

太田 理加(オオタ リカ)

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