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成功するDX=DESIGN×SI

なぜNTTデータはデザイン組織を立ち上げたのか──サービスデザインとシステム開発による成功するDX

第1回

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 「サービスデザイン」「デザイン経営」という言葉が身近になったように、多くの企業ではデザインを企業活動に取り入れつつあります。当初、サービスデザインの活用は個別プロジェクトでの活用が主流でしたが、今では全社の経営戦略への活用に広がっています。一方、デザインという言葉が抽象的であるため、「結局何に効くのか」と問われる場面も少なくありません。  本連載では、SIer(システムインテグレーター)に所属するサービスデザイナーとして、サービスデザインとシステム開発を掛け合わせて活動している立場から、サービスデザインが企業課題の解決や新規事業の創出にどのように寄与するかを解説します。第1回はデザイン組織の立ち上げ経緯とその狙いを紹介します。

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なぜNTTデータはデザイン組織を立ち上げたのか

 昨今、あらゆる業界においてDX(デジタルトランスフォーメーション)による競争優位性の確保が課題となっています。本記事では、お客様によるDXを支援するために、なぜNTTデータがデザイン組織を立ち上げたのか、背景と特徴、そして活用事例を紹介します。

 経済産業省による「DX推進ガイドライン(2018年)」では、DXは次のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。(「DX推進ガイドライン」/2018年12月・経済産業省)

 近年、デジタル技術やデータを活用し、革新的なビジネスを展開する事例が増え、「AIやIoTを活用して新しい商品・サービスを開発したい」「重要な資産であるデータの利活用を進めたい」といったご相談をいただいてきました。

 従来のシステム開発の多くは、ウォーターフォール型で進められ「決められた要件に従って開発を進めていく」ことが前提でした。また、お客様の中でもIT部門との対話で要件を決めています。一方、DXを正しく成功させるためには、単に手段(デジタル技術やデータ活用)に精通しているだけではなく、お客様の先にいるユーザーへの深い理解、お客様の企業における部署の壁の打破が欠かせません。今後、DXパートナーとしてお客様と伴走するためには、お客様の先にいるユーザーを理解し、「ユーザーにより良い体験を届ける」ことを共通言語として、お客様の複数部署に働きかける新しい力が必要と考えました。

 そこで、NTTデータでは、ユーザー中心でより良い体験を設計するサービスデザインを取り入れ、強力に推進するドライバーとしてデザイン組織を立ち上げることにしました。*1

サービスデザイン

 現在、世界各国に16のデザインスタジオを開設し、約550名のデザイナーが在籍しています。日本では東京・六本木にスタジオを開設し、お客様とのプロジェクト活動や各種イベントを実施しています。

 IDEO社がDatascope社を買収してデータサイエンティストがデザインファームで働くようになったように、また、Google社がプロジェクト「PAIR(People + AI Research Initiative)」を立ち上げユーザーと技術(AI)の共生を目指しているように、デザインと技術の融合自体は今や珍しい話ではありません。次ページでは、特に、公共分野(官公庁、自治体、学校など)、金融分野(銀行、決済インフラなど)、法人分野など各分野のシステム開発を手掛けてきたSIerがサービスデザインを導入することによる効果・特徴を紹介します。

*1.関連ニュース:NTTデータ、デザイナー集団の新ブランド「Tangity」を創設

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この記事の著者

河村 真理子(カワムラ マリコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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