コープに学ぶ、長期的経営を可能にする組織のあり方
入山:僕が注目しているのは生協の仕組みです。今、「コープさっぽろ」の理事をしていまして、そこがめちゃくちゃ面白い。株式会社ではないので、株主に当たるのは「組合員=お客さん(生協の会員)」です。ステークホルダーが地域の住民である組合員さんで、彼らにどうリターンを効かせるか、という話になります。
彼らは普通の小売業が進出しないような場所に出店したりします。「10年後に売上が下がるかもしれない」というような、通常ならありえない出店計画が理事会に上がってきたりします(笑)。でもこう言われるわけですよ、「ここは限界集落になりかねない場所で、そのままだと地域のインフラがなくなってしまう。だから我々が出す意義があります」と。独自の論理と戦略と社会的意義があるのです。