SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

事業開発のためのルールメイキング

イノベーションや新規事業に必要なルールメイキング戦略──“法の遅れ”と“グレーゾーン”へ向き合うには

第1回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

そもそも「ルールメイキング」とは何か

 ルールメイキングと一口に言っても、確たる定義があるわけではなく、人や場面によってさまざまな意味合いを持つ言葉です。まずは、そもそもルールメイキングとは何だろうかという前提について、「ルール」と「メイキング」に分けて考えてみたいと思います。

 ルールメイキングの対象となる「ルール」は、法律以外にも、以下のように広い範囲にわたります[1]

ルールの種類画像クリックで拡大

 ルールの「メイキング」としては、次のような行為が挙げられます。以下のように、ルールを創るという積極的な関わりだけでなく、消極的な関わりをすることもあります[1]

  • 積極的にルールを創り上げる
  • 既存のルールの解釈を明確化する
  • ルールの変更が検討されている際に阻止や軌道修正を試みる

欧米や中国で活発化するルールメイキング

 欧米では、政治家や官僚に対して、政策や立法に関する働きかけを行う「ロビイスト」が一職業として浸透しています。民間企業はロビイストなどと協力して、特定の利害や信条に基づくロビイング(ロビー活動)を活発に行っています。

 報道によると、米国の大手IT企業であるGAFA4社が、2020年に計上したロビイング活動費は、合計5390万ドルにものぼっています[2]。ロビイング活動費を増やす動きは、米国だけには留まりません。中国のByteDanceは、トランプ前大統領が動画投稿アプリ「TikTok」を市場から締め出す政策をとったことも背景にあり、前年の10倍にあたる261万ドルの費用を投じ、ロビイストを17人から47人へと一気に増やすなど、ロビイング活動を強化しています[2]

 すべてのロビイングがルールメイキングを目的とするものではありませんが、欧米ではその重要性が強く認識されているといえるでしょう。


[1]官澤康平、南知果、徐東輝、松田大輝編著『ルールメイキングの戦略と実務』第1章第1節(商事法務、2021年3月刊行)

[2]日本経済新聞電子版「フェイスブック、ロビー費首位に IT大手、米政府圧力に対応 中国バイトダンスは10倍」(2021年1月31日公開)

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
急速に発展する技術で広がるグレーゾーン

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
事業開発のためのルールメイキング連載記事一覧
この記事の著者

南 知果(ミナミ チカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング