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嘉村賢州氏に聞く、「ティール組織」の発想を活かしたパーパス策定

第10回 ゲスト:嘉村賢州氏

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 いま企業のあいだでは、社会における“存在意義=Purpose(パーパス)”を再定義して「何のために存在しているのか」、社員一人ひとりは「何のために働くのか」を明確にする動きが活発になっています。これは、技術革新や時代の変化によって消費者ニーズや価値観が変化したことや、企業都合のビジネスではなくサステナブルな経営が求められるようになった社会の変化も影響しています。
 「パーパス」はティール組織でも重視される概念です。ティール組織の発想を活かしつつ大企業がより良い形でパーパスを策定するためには、どんなことに注意が必要なのでしょうか。またパーパス策定をプロジェクトとして任命された場合はどうしたらいいのでしょうか。場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome's vi代表理事でフレデリック・ラルー著『ティール組織』(英治出版)解説者の嘉村賢州氏と、ビジョンやパーパスの言語化支援を得意とするIdeal Leaders株式会社のCEO永井恒男氏が話し合いました。

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「ティール組織」の定義

永井恒男氏(Ideal Leaders株式会社 CEO、以降敬称略):嘉村さんはティール組織について研究を進めていらっしゃいます。現在は『ティール組織』の著者が参考にした先行研究を紐解きつつ、理解を深めているとお聞きしました。「ティール組織」における“パーパス”についてお伺いする前に、まずは簡単に「ティール組織」についてご紹介いただけますでしょうか。

嘉村賢州氏(場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome's vi代表理事、以降敬称略):ティール組織とは、次世代の組織モデルとしてマッキンゼー出身のフレデリック・ラルーが提唱した組織のモデルです。フレデリックは、組織の進化には5つの段階があるとしていて、各段階を色で示しています。ティールの段階では、組織は「生命体」として個と全体を同期しながら進化していくような状態になっています。

『ティール組織』日本語版付録ティール組織』日本語版付録

 フレデリックは多くの組織が実現できる組織論としてティール組織を定義していません。深く理解すると結構条件は厳しく、日本の現状では“ティール”の段階にいたっている組織はまだ少ないと言えるでしょう。また、現状社会環境がまだ整っていないため必ずしもすべての企業にとってティール組織が最適とは限りません。ティール組織はあまりにも既存の組織のあり方としては異なるので、一足飛びにそこに向かうのは難しいでしょう。ティールに向かうとしても、一度グリーンを経由するのも良いと思います。

永井:日本の大企業はオレンジ型が多く、一部の「良い会社」とされている企業がグリーン型と言われていますよね。各段階の特徴を教えてください。

嘉村:まずレッドは、マフィアやギャングのように恐怖によって統治する組織で、組織形態の最初の段階です。次にアンバーは、教会や軍隊のように集団の規範がすべてにおいて重視される、大規模な階層組織です。アンバーでは能力があっても階級によって能力発揮に限界がありました。

 オレンジの組織は科学的なマネジメントが可能になった機械的組織です。階層構造はありますが、能力によって昇進することも可能です。オレンジの組織では、企業の方向性は経営層が考えます。オレンジでは、合理的な組織を求めた結果、組織が集まっている目的が売り上げ追求になったり、社員がそこに参加する目的が出世になったりしています。元々企業というものは「社会の公器」で、世の中に価値にもたらすものであるはずなのに、それが失われてしまった組織も多い状態です。

永井:経営層が企業の方向性を考えるため、社員は何も考えなくなってしまっている状態ですね。

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“良い会社”が陥る「グリーンの罠」とは?

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

永井 恒男(ナガイ ツネオ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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