小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道
宇田川氏も、ミドルへのケアの必要性について大いに賛同した。「ミドルが動かない」など槍玉に挙げられがちだが、実際にミドル層と話してみると、動かないのは意識が低いということではなく「どこから手を付けるべきかが見えず困っている」ことに問題を感じるのだという。
それに対して、上から「正しいやり方はこう」「なぜやらないのか」と押し付けるのはケアとは正反対の関わり方で、本人の自発性を奪ってしまう。正しいやり方という正解はないから、コーポレートを始めとする関係者がケアをしながら実践を積み上げていくしかない。そのような対話的なケアの能力を高めていくことが必要なのだという宇田川氏に、日置氏も、「役員や経営層も少し前はミドルだったはず。『なぜミドルが動けないのか』というときに、自身の過去のコンテクストを振り返ることで、彼らをケアし、動けるようにしてあげるヒントが見つかるのではないか」と応じた。