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ビジネスアジリティとデザイン

東京海上日動のキーマンと語る、DXを推進する組織文化とプロダクト開発──ヒト・モノ・カネのアジリティ

ゲスト:東京海上日動火災保険株式会社 村野剛太氏、東京海上日動システムズ株式会社 古澤直人氏

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東京海上日動のIT化からDX推進までの系譜

根岸 慶氏(以下、敬称略):本連載では、企業がDXを推進するための「ビジネスアジリティ」をテーマに、実践者との対談・鼎談を実施しています。前回は、AIスタートアップのAI inside社CXOの保坂さんに、プロダクト主導型組織のビジネスアジリティ、プロダクトマネジメントをお聞きしました。

 今回は、大企業におけるDXのためのビジネスアジリティ、プロダクトマネジメントに関して、貴社の取り組みをお聞きしたいと思っています。まずは、東京海上日動のDX推進のキーマンであるお二人の取り組みとその役割に関してお聞きします。

村野 剛太氏(以下、敬称略):東京海上日動のIT企画部の責任者として、本日同席する東京海上日動システムズの古澤とともに、アジャイルを開発だけではなく、組織文化として根付かせるための活動を行っています。

 2021年からの中期経営計画では、「お客さまと地域社会の“いざ”をお守りする」という当社のパーパスを実現するために、社会課題解決を通じた成長を目指しています。その中で「保険の力で社会課題を解決する」という目標を持っているのですが、実現手段として「DXによる価値創造」を掲げており、その詳細は以下のようになっています。

東京海上日動が目指す姿
クリックすると拡大します

根岸:東京海上日動のIT化、DXはどのような進化の系譜があり、今の取り組みに至るのでしょうか。

村野:直近の活動につながる取り組みを、「ビジネスの戦略とITシステムの整合性を保つ仕組み」という経営レベル、「ビジネス価値を最大化するシステム」というIT企画、「最適なデリバリを実現する仕組み」というプロダクト開発、この3つの観点から説明します。

東京海上日動IT発展の歴史
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 時系列に沿って説明すると、アジャイルを経営レベルで根付かせるという取り組みの“夜明け前”段階とも言えるのが、2009年からのクラウド導入です。徐々に拡大させ今に至っています。また、洞察(insight)を得ることを主目的とするシステム(SOI:System of Insight)としては、2017年からはデータ分析基盤の導入を行いました。

 顧客や取引先とのエンゲージメントを強化することを目的として使われるシステム(SOE:System of Engagement)としては、2019年にアジャイル開発を東京海上日動として本格的にスタートさせています。同時期に、グループ全体としてアジャイルを組織文化までに昇華させることを目的とした、私たちが所属する“アジャイル部隊”の設立を2019年に行いました。その象徴となっているのが、銀座の中心に設けたイノベーション創造拠点「G/D Lab」です。

 さらに、経営戦略とアジャイル開発の連動という一番上位のレイヤーでも、2020年に「イノベーション枠」の創設を行いました。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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