Ops構築支援の内容 ~ハンズオンでプロセスを習得し、自走まで~
──Ops構築支援のゴールは、企業ごとに適したOpsを設計・導入し、自走してイノベーションを推進・維持していける状態を実現することだとお聞きしました。自走に至るまでの支援の内容について、具体的に教えてください。
山本:Opsの導入により目指すのは、「①企業がイノベーションを推進・維持しやすい状態にする」、そして「②企業のメンバーがそのプロセスを理解し、自分たちで実施できる状態にする」ことです。それに向け、我々は全体のプロセス設計を支援していきます。実際にどのプロセスを仕組み化して、オペレーションを自社内で自走できる状態にするかを考えるのです。そこには当然、大枠の話だけではなく、細かい仕事のフローも含まれてきます。
たとえば、ソフトウェアのUIデザインを実装してローンチするプロセスを対象としたプロジェクトの場合、自社内で「デザインシステム」というものをレギュレーションとしてつくる必要があります。デザインシステムとは、プロダクトやWebサイトの印象・コンセプトに一体感をもたらすために、たとえば余白設定やトンマナ(トーン&マナー)など、あらゆるデザイン領域に対して細かくルールを定めたものです。これを、まずは我々が支援してつくって見せることで、企業の皆さんは「こういうものがあれば、デザイナーや他部門の人も考えやすくなるのか」と、理解することができます。
デザインシステムをつくれる人材は、企業内を探してみてもあまりいないことが多いです。ですから、最初はアイスリーデザインのデザイナーが、一緒に皆さんとやりとりしながらつくり上げます。
デザインシステム以外の部分、たとえばソフトウェアのエンジニアリングなどに関しても、もし人が足りなければ我々が用意した人材が入って、アジャイル、スクラム開発などのプロセスを、BacklogやWrikeなどのツールを使いながら進めていきます。リソースに関しても支援し、ハンズオンによってノウハウを習得していただくのです。
──新規事業やDX推進に向けて、新しい人材を雇用したけれど結局ミスマッチだったという話をよく聞きます。アイスリーデザイン側の人材が実務に参加してくれるなら、安心ですね。
芝:我々のチームと一緒にプロジェクトを推進してみることで、どんなスキルセットを持った人を雇えばオペレーションが回るかが、体感的に分かりますよね。そうすれば、いずれ自社で人材を雇うことになったとき、ミスマッチの可能性を減らせるでしょう。リソース支援には、そういった狙いもあります。
山本:そうやってハンズオンでプロジェクトを進めた後は、グロース、そして自走へとつなげていきます。仕組みが整い、Opsがインストールされて次第に小さなプロジェクトが回っていくのを体感していただき、最終的には企業が自ら人的リソースも整えて、組織内でプロセスが完結するところまで、我々は伴走するのです。ここまでを終えて、ようやく“卒業”していただく形となります。