3つの「言葉の壁」とは何か
2000年頃から感じていた、「言葉の壁」をデバイスで課題解決できないかという松田氏自身の「問い」が、携帯翻訳機ポケトークの原点になっているという。現在はシリコンバレーでの居住生活が10年を過ぎ、その経験からも、さらに「言葉の壁」に注目するようになったとした。そんな松田氏は「訪日観光における言葉の壁」以外にも、コロナ禍における「3つの言葉の壁」が存在するという。
1つ目は「労働現場における言葉の壁」だ。米国や欧州、日本に拠点を構えるポケトークでは、この「労働現場」に着目した。米国では年々移民が増加し今後もその増加傾向は変わらない。その中で、英語が母国語でない移民の方々には労働現場での言葉の壁が存在する。また、移民を貴重な労働力と考える経営者にとっても、労働力の確保という観点で英語を母国語としない移民の方々の言葉の壁をなくすことが重要になる。日本でも労働力人口の減少が既に大きな課題となっていることもあり、日本人だけは労働力がまかなえないのは、明確な事実だ。外国人労働者や留学生らが日本で働く場合に、当然ながら言葉の壁が発生する。