NTTデータは、デジタル技術を活用し、自然・生物多様性の情報開示を支援するコンサルティングサービスを提供開始した。
同サービスは、企業の自然と生物多様性に関連する情報開示の調査・評価から、自然と生物多様性との重要な接点における依存関係と影響を特定する取り組みを支援。また、ニーズに合わせて、デジタル技術を活用した高度な実測や経営管理への活用を支援し、環境への負荷低減からネイチャーポジティブな事業運営まで包括的に支援するという。
NTTデータは、同サービスをグリーンコンサルティングサービスの一環として提供することで、顧客となる企業の脱炭素に向けた取り組みの支援とともに、自然・生物多様性の情報開示の取り組みまでをワンストップで支援すると述べている。
具体的には、顧客の自然関連課題への取り組みを支援するため、TNFDなどの枠組みに沿って、現状の開示状況のアセスメントから強化可能な部分のコンサルテーションを提供。また、事業活動と自然や生物多様性との接点における優先度の高い課題の特定や、現状のベンチマークとなるコア測定指標を踏まえた開示指標の定義づけをサポートするという。
加えて、NTTデータが提供するデジタルソリューションを用いて、自然への依存・影響測定支援やサプライチェーン管理、リスクと機会の分析から戦略立案・実行支援を行い、TNFD対応とネイチャーポジティブな取り組みの高度化・強化をサポートするとしている。
デジタルソリューションのユースケース
高度な測定とデータの管理・活用により、ネイチャーポジティブな施策創出や実行を支援。顧客となる企業の事業価値向上に貢献するという。
実測の難しい土地利用変化や土壌情報の高精度衛星データを用いた測定
衛星画像解析では、1970年代までさかのぼって全世界の地表状態を時系列で分析することが可能。これにより、緑地や森林の減少などの土地利用の変化を分析し、原料生産における自然や生態系への影響を確認できる。また、農業用圃場では、衛星画像解析と実際の土壌分析結果を照合することで、土壌の肥沃度を評価できる。
ブロックチェーン技術を用いたサステナブルなサプライチェーンのトレーサビリティ確保
トレーサビリティソリューションによって、自社のサプライチェーンの透明性を高めることが可能。たとえば、漁業に関するサステナビリティ情報の活用においては、漁法や漁獲場所、違法性の有無や物流などの情報をステークホルダーと共有し、周囲の生態系にもたらす影響の評価を行うことができる。
自然関連データの経営管理基盤統合
グリーンコンサルティングサービスでは、Carbon Footprint of Products(CFP)関連データを各拠点から集約し、CFPの削減コストの投資対効果を比較・評価することで、環境に配慮した経営投資判断を支援している。CFPと同様に、水利用や自然資源の利用量など、自然関連情報も合わせた財務・非財務データの管理基盤の統合を行う。
今後の取り組み
NTTデータは、これまで提供してきた温室効果ガス削減に向けたコンサルティングサービスのノウハウを生かし、今後枠組みや制度が示されていく自然・生物多様性関連の情報開示にもグリーンコンサルティングサービスを拡大。また、同サービスでは、すでに自然関連情報の開示に取り組み始めている顧客や、今後取り組みを進める顧客など、状況に合わせたコンサルティングを提供していくという。