組織のコラボレーション活性化とEX向上を実現するZoomの新機能
ユアン氏が講演を終えると、次に最高製品責任者であるスミタ・ハシーム氏が登壇し、AI時代の組織・働き方を支えるZoomの最新機能を発表した。
ハシーム氏は冒頭、「ビジネスを成功させる最も重要な推進力は、仕事仲間とのコラボレーションであり、顧客、同僚、パートナーとの協力のコミュニティを構築する能力がすべての結果を左右する」と指摘。そのようなコミュニティ醸成を促進することがZoomの使命だと語った。
こうした構想の下、2023年9月にリリースされたのが「Zoom AI Companion」である。Zoom AI Companionは、Zoomプラットフォーム全体で機能する生成AIアシスタントだ。過去の会議でのチャットからサマリーを呼び出す、ミーティング前に参加者に伝えておきたい内容をメールする、ミーティングの途中でこれまでの会話の概要を確認する、その内容について質問する、ミーティング中のブレストの助けを得る、ミーティング後に内容のサマリーをメールするといったことが、AI Companionに「Catch me up.(これまでの話の内容を教えて)」などと話しかけるだけで簡単にできるという。
これは、Zoomの有料ライセンスを取得していれば誰でも利用でき、今後数ヵ月の間にもさらにパワフルなアシスタントに進化していく予定だとしている。
また、今回のイベントで新たに発表された機能が「Zoom Docs」だ。2024年度中にリリースを予定している本機能では、クラウド上のファイルにシンプルなテキストだけでなく、表やリスト、画像、動画など様々な形式のコンテンツを埋め込むことができる。
Zoomのビデオ会議に参加しているメンバーが画面を切り替えることなく、共同で文書の作成や編集ができ、AI Companionとチャットをしながら自動的に内容を作成することも可能だ。もちろん、そうしてできあがった文書は、Zoomのチャット機能を使って必要な相手にシェアできる。
ハシーム氏は、これらが新たな組織のコラボレーションの形を実現し、従業員の体験を向上すると強調した。その実例として紹介されたのが、現在30ヵ国以上の工場で電子機器を設計・製造するエレクトロニクス企業のFlex社だ。