「企業理念」と「組織文化」が次の時代を勝ち抜く武器になる
紺野:最後に組織文化についてお伺いしたいと思います。というのも、テルモの自己変革の歴史の原動力は組織文化ではなかったかと思うからです。テルモは「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げていますが、実際にその理念を体現する形で新たな事業が生まれています。やはり組織のなかには、患者さんや医療従事者に貢献したいという文化が根付いているからなのではないでしょうか。
鮫島:ありがとうございます。私はそれこそがテルモの強みだと思っています。もし、社員たちが「患者さんや医療従事者に貢献したい」というパッションを持っていなかったのだとしたら、テルモは絶対に今のような組織になっていないはずです。ものづくりへのこだわりや、戦略的な思考のみだけでは説明できない変遷をテルモは辿っています。その根底には常に患者さんや医療現場への強い思いが流れていたはずです。