カルチャー変革に10年かかった理由
宮森:青井社長の過去の発言によると、「社長に就任して最初に取り組んだカルチャー変革には10年以上かかった」とおっしゃっていたことです。多くの経営者が短期的な成果を求める中で、10年以上という長期にわたって組織文化を育ててきたその背景を詳しく教えていただけますか?
青井:そうですね、1990年代から2000年代初頭にかけて、日本企業全体が上意下達の組織文化に根ざしていました。特に当社は、徹底した指示命令型の組織だったんです。社長が号令をかければ、社員が一斉に動くという体制で、ある意味、効率的ではありましたが、これを自律的な組織に変えていくためには、大きな抵抗と苦労がともないました。