価値観を現代語訳したMVVで「新しい護送船団方式」を確立するべき
──日本企業の経営には投資家的な視点が不足しているというお話でしたが、「事業家」の面ではいかがでしょうか。何か課題に感じている点はありますか。
佐藤:事業とは、つまり戦略を策定して実行するまでの一連のプロセスを指すのですが、このプロセスが1970年代の高度成長期のまま固まっている企業が少なくないと思います。当時は、市場全体が拡大していたので、コストの低減を進め、単位時間あたりの生産効率を高めて、モノを安く・多く生産して売れば、会社を成長させることができました。だから、戦略も現場や事業部門が主導して立てられることが多かった。しばしば、日本企業の事業戦略が事業部ごとの戦略をホッチキス留めしたような内容になるのは、これが要因です。