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沖電気工業でISO 56000シリーズが浸透した理由──執行役員 藤原氏に訊く、事業変革の軌跡と展望

IMS SUMMIT 2024セミナーレポート:後編

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社内ビジネスコンテスト「Yume Proチャレンジ」から複数の事業が立ち上がる

 この考え方をもとに着想した事業アイデアを募集する社内ビジネスコンテスト「Yume Proチャレンジ」を2018年から毎年開催しており、2023年開催の第6回では400件近くのアイデアの応募があった。その中のひとつ、「IMSをベースにした新規事業創出の生成AIサービス」は、製品化を進め来年の投入を目指したい考えだ。

画像を説明するテキストなくても可
藤原雄彦氏の講演資料より/クリックすると拡大します

 ビジネスコンテストの名称にもなっている「Yume Pro」とは、沖電気工業独自のIMSプロセスの総称で、ISO 56002をベースに策定された。イノベーション戦略として「物流」「ヘルスケア医療」「高度遠隔運用」「CFB(異なる半導体材料を分子間力で接合し、電子デバイスの性能を向上させる独自技術)」を重点領域に設定し、2031年には500〜1,000億円規模の事業の創出を目指している。

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藤原雄彦氏の講演資料より/クリックすると拡大します

「これまでは技術発で製品を生み出し、スケールせずに立ち行かなくなるケースも多かった。顧客の解像度を上げたり、提供価値を見い出したりすることをしなかったからです。Yume Proでの実践によって、物流も医療も、現場に行ってニーズを掴むようになっています。こうした取り組みによって、ブレークしそうな新サービスも現れています」(藤原氏)

 「物流」の領域では、AIを活用した配送計画最適化サービス「LocoMoses」がすでに商用化されており、今後はアジア太平洋地域への事業展開を進めようとしている。また「ヘルスケア医療」領域では、スマートフォンなどから収集したデータを分析し、タイムリーにメッセージを送信することでユーザーの行動変容を促す「Wellbit」を開発・商用化。「高度遠隔運用」では、リモート環境でリアルタイムにIoTデバイスやロボットを統合監視・制御できるプラットフォーム「REMOWAY」が2025年末に商用化予定となっている。

 藤原氏は最後に、「IMSに必要なのは行動すること」だと述べ、以下のメッセージで講演を締めくくった。

「行動するとは、現場に入り込むということです。お客さまと一緒になって試行錯誤し、提供価値について合意する。そうして初めて、製品やサービスを生み出すことができ、マネタイズが可能になると考えています。グローバルでイノベーションが求められる中、IMSが共通言語になることで、ビジネスはどんどん加速します。ぜひ皆さんと、よりよい世の中にしていきたい」(藤原氏)

藤原雄彦
沖電気工業株式会社 執行役員 イノベーション責任者 デジタル責任者 兼 イノベーション事業開発センター長 藤原雄彦氏

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沖電気工業でISO 56000シリーズが浸透した理由

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この記事の著者

加藤 智朗(カトウ トモロウ)

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