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iPS細胞を使った再生医療事業を立ち上げたニコン清田氏に聞く、新事業開発の源泉

第6回:株式会社ニコン マイクロスコープ・ソリューション事業部 ステムセル事業開発室長清田泰次郎氏

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 来年100周年を迎える株式会社ニコンはカメラビジネスが目立っているものの、京都大学 山中伸弥教授が発見したiPS細胞に端を発した再生医療事業のへの参入など事業開発にも積極的だ。その事業開発を推進してきたのはインストルメンツカンパニー 事業企画部 新事業推進課 マネジャー 清田泰次郎氏。氏は細胞を生きたまま観察し解析するBioStation CTを開発し、世界中の研究者と連携しながら事業を推進してきた。清田氏のこれまでの経緯、そもそも事業をどのように立ち上げていったか、そして、さまざまな難局を乗り越えてきたモチベーションの源泉を伺った。インタビュアーはINDEE Japan津嶋辰郎氏と津田真吾氏。

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BioStation CT立ち上げの原点となったシステム設計

津嶋(INDEE Japan 代表取締役マネージングディレクター):
 再生医療用細胞の受託生産事業を担うニコン・セル・イノベーションの設立や網膜治療のベンチャーであるヘリオスへの投資など、いち早く再生医療に乗り出したニコンですが、そのプロジェクトを先導してきた清田さんがニコンのような大企業で新しいことを立ち上げた経緯やご苦労の生のお話をお聞きしたいと思います。
 まず、入社してから清田さんが今取り組まれていることに至るまでの略歴を教えていただけますか?

清田(株式会社ニコン マイクロスコープ・ソリューション事業部 ステムセル事業開発室長):
 入社は1989年です。当時ニコンは半導体の露光装置であるステッパーが非常に好調でした。入社して1年位は、ステッパーの製造、検査の工程に従事するなど、半導体関連の部署に所属していました。社内の慣行では入社1年目は研修などで過ごすのですが、いきなり「現場に投入」させられたという状況でした。
 その後、宇宙向けの光学製品など特殊用途のカスタム製品を作る特機事業部に配属され、暗いところでも映像を記録することができる赤外線カメラを担当することになりました。赤外線のセンサーを開発する仕事です。そもそも赤外線というのはあまり強い光ではないので、感度を上げる必要があります。しかし単純に感度を上げると、半導体が持つ性質によって画質が悪くなってしまいます。そのため、-200℃位まで冷却することが必要で、既存の取引先ではできないので、協力会社を一から探し回ることからやってました。冷やすと、今度は結露し、凍るので、真空で囲ったりといろんなことをやっていましたね。

津嶋:
 それはカスタム製品を担当して1年目からですか?

清田:
 そうです。元々、応用物理学科で光学を学んでいたので、「清田、システム設計もやれよ」と言われて(笑)。昔はCCDの性能のばらつきも大きかったので、FPGAを使って一つ一つの素子の補正をするなど、今から思えば骨の折れることをやってましたね。

アメリカの研究所で身につけたチャレンジ精神

津嶋:
 その後、どんなことがありましたか?

清田:
 ニコンでは、今後、日本だけだと技術が足りなくなる可能性があるということで、アメリカに研究所を設立する動きがあって、1995年からアメリカ・サンフランシスコとサンノゼの中間にあるサンマテオに3年間いました。「Nikon Research Corporation of America」というところで、アメリカの赤外線カメラメーカーとの協業を進めることになりました。

津嶋:
 当時のアメリカだと大変だったのではないですか?

清田:
 無知と若さですね(笑)。
 とにかく、アメリカが進んでるから何かやってこいという感じで、あまり事前の取り決めはありませんでした。向こうでは、現地の上司に色々と相談するんですが、「日本からは何て言われているんだ?」って案外外人っぽくなかったりして、自分でなんとかしました。

清田泰次郎株式会社ニコン マイクロスコープ・ソリューション事業部 ステムセル事業開発室長 清田泰次郎氏

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失敗から学んだ「ユーザーニーズを捉えていたのか」という自戒―そこから、新事業が始まった・・・。

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

津嶋 辰郎(ツシマ タツロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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