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経営戦略としてのサプライチェーン変革

経済産業省 吉川氏に聞く、国が進める「貿易手続デジタル化」の現在地──貿易DXと企業支援の全体像

ゲスト:経済産業省 吉川尚文氏

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貿易DX推進に向けた政府の支援

真畑:最後に、今後の展望についてお聞かせください。貿易DXを進めるうえで、政府としてどのような支援を考えているのでしょうか。

吉川:貿易には多くの関係者が携わるため、デジタル化が遅れがちであるという課題があります。また、政府側も関係省庁が多岐にわたるという課題、そして、貿易プラットフォーム事業者の多くがスタートアップであり、業界団体が存在しないという課題もあります。

 中間取りまとめでもこれらの課題を指摘しましたが、2025年2月の検討会では、貿易プラットフォーム事業者による業界団体の設立に向けた検討が進められているという報告があり、大変喜ばしく思っています。経済産業省としても、業界団体の設立を応援していきたいと考えています。

 また、先ほど述べた補助事業については、一層多くの企業の皆様からのご応募を期待しています。企業の皆様には、ぜひ積極的に本事業をご活用いただき、貿易DXを進めていただきたいと考えています。

 この先の展望としては、業界団体との連携を強化し、政府への要望の受け取りや意見交換を円滑に進めていきたいと考えています。

 また、海外との連携を強化します。具体的には、ERIA(東アジア・ASEAN経済研究センター)による政策提言や、海外プラットフォーム事業者との接続、そして、貿易データの国際標準化などを進めていきます。国際標準は、策定するだけでなく、企業が実際に利用できるように、使いやすいガイドラインを作成し、普及に努めていくことが大切です。

 補助事業については、引き続き確保に努め、企業の皆様に貿易DXに取り組むための支援を継続していきたいと考えています。貿易DXは、経済安全保障やサプライチェーンの強靭化にもつながる重要な取組です。コスト削減効果も期待できますが、短期的な利益だけでなく、長期的な視点での投資が必要です。

 企業の皆様にも、ぜひご理解とご協力をいただければと思います。もし、社内で理解を得ることが難しい場合は、ぜひ経済産業省にご連絡ください。我々が直接ご説明に伺い、貿易DXの重要性をご理解いただけるよう努めます。

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この記事の著者

加藤 智朗(カトウ トモロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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