電通、電通デジタル、日立製作所（以下、日立）は、生成AI領域で戦略的に協業していくことを合意。生活者に寄り添った生成AIサービスの検討・提供を共同で行うプロジェクト「AI for EVERY」を立ち上げた。

　同プロジェクトは、3社でのAI技術の開発・活用における専門性をベースに、国内電通グループが有する生活者視点を取り入れた体験設計やクリエイティビティと、日立が蓄積してきた社会イノベーションのDX技術・ノウハウや実装力を掛け合わせ、BtoBtoC領域で生活者と企業、社会のより良い接点を構築。人手不足や廃棄ロスなどの社会課題解決に貢献する生成AIサービスの実現を目指すものだという。さらに、生成AIサービスの提供を通じて、企業の売上向上にも寄与していくとしている。

　今後3社は、それぞれが持つ生成AI領域におけるテクノロジーやナレッジなどのアセットを組み合わせ、リテールや金融をはじめ幅広い分野で生活者に寄り添った生成AIサービスの提供に取り組んでいくという。また、電通・電通デジタルが参画する日立の「Lumadaアライアンスプログラム」を通じてパートナーシップをより強化し、オープンイノベーションを加速させていくと述べた。

協業第1弾「今日の気まぐレシピ～これからのサステナブルな食材の選び方～」 の特徴

　第1弾として、日立の需給予測技術と電通・電通デジタルのUXデザイン・デジタル広告・サイネージ技術を掛け合わせた、流通業界向けの新サービス「今日の気まぐレシピ」の共同検討を推進。

　店舗では、季節・天候・需給状況・商品サイクルなどさまざまな要因に影響を受け、売れ残った食材が日々廃棄されている。そこで、日立の在庫管理システムや需給予測・受発注システムを基に売れ残りそうな食材を高精度に予測。電通のクリエイターの知見を学習した生成AIがその食材に関連するユニークなレシピやクーポンを生活者に提案するという。さらに、電通デジタルが提供する、デジタル広告における制作プロセスの効率化・最適化をサポートするソリューション「∞AI Ads」のノウハウを活用し、これらのレシピやクーポンを販促素材として自動生成。店舗のアプリや店頭サイネージなどで配信する仕組みを目指すとしている。

　これにより、その瞬間に最適な情報をアプリやデジタルサイネージなどを通して「売り場」の生活者に直接届けることが可能。生産者・流通事業者・生活者のそれぞれのニーズに合致した購買行動を促し、廃棄ロスの削減に貢献するという。さまざまな要因で食卓に上ることが難しかった食材にスポットライトを当て店頭での「思いがけない出会い」を演出し、3者の新たなマッチングを創出していくと述べた。

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