なぜ世界的IT企業にはユダヤ系創業者が多いか
一橋大学大学院経営管理研究科 特任教授 藤田勉氏著の『世界の有力なIT企業の多くはなぜユダヤ系なのか』によれば、IT企業の創業者の多くがユダヤ系だ。
Googleのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、Meta/Facebookのマーク・ザッカーバーグ、インテルのアンドリュー・グローブ、シスコシステムズのサンディ・ラーナー、ウォルト・ディズニーのロバート・アイガー、オラクルのラリー・エリクソンと、列記されている。ちなみに、アインシュタインもカール・マルクスもフロイトも、スティーブン・スピルバーグもシェリル・サンドバーグも、もちろん、国際ユダヤ資本の基礎を築いたロスチャイルド家もユダヤ系。そして、AI時代の到来を告げたOpenAIのサム・アルトマンもユダヤ系だ。
人種・民族によって差別する気は毛頭ない。ただ、ここでのポイントは、古代ユダヤ王国滅亡後、ユダヤ人は世界へ離散(ディアスポラ)。19世紀後半、シオニズム運動を経て1948年イスラエル建国。つまり、歴史的に、ユダヤ人を守ってくれる国家はなく、「domestic(国内の・家庭内の・飼い慣らされた)」な安心感はゼロ。信頼できる国家はなかった。だから、代わりに信ずるものを必要とした。
彼らは何を信じて生きればよかったのか? 学歴も国家官僚などのポジションもなんの役にも立たない。未来に対して、社会的に、なんの約束もない。どの大学を卒業したかは関係ない。どんなに社会に貢献しても関係ない。博士号があってもホロコーストで強制労働を強いられ、ガス室で最期を迎えた。大学の名前も会社の名前も知識も経験も、ガス室では役に立たなかった。
日本にいるとユダヤ系の人々と接する機会は少ない。だが、米国留学や、ネット業界・IT業界で米国本社勤務を経験すると、彼らの本音に触れる機会がある。そう、お金とは「愛情」である、と。お金とは誰も差別しないものだ、と。
イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリは次のように書いている。
貨幣は人類の寛容性の極みでもある。貨幣は言語や国家の法律、文化の規準、宗教的信仰、社会習慣よりも心が広い。貨幣は人間が生み出した信頼制度のうち、ほぼどんな文化の間の溝をも埋め、宗教や性別、人種、年齢、性的指向に基づいて差別することのない唯一のものだ。
出典:ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』
貨幣は相互信頼の制度であり、しかも、ただの相互信頼の制度ではない。これまで考案されたもののうちで、貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度なのだ。
出典:ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福』
人類の寛容性の極みであり、「ほぼどんな文化の間の溝をも埋め、宗教や性別、人種、年齢、性的指向に基づいて差別することのない唯一のもの」で、最も普遍的で効率的な相互信頼の制度、それが貨幣(お金)だ。
だからこそ、そのエネルギー(Energy of Money)をうまく扱うと同時に、精神的に成熟する(Enlightenment(悟り・啓蒙))ことによって、人生は切り開かれていく。その結果、MicrosoftやApple、Google、Meta/Facebookなどを創業できるし、人生を豊かにすることができる。
