社会インフラを動かす「OS」へ。自律進化するデジタルインフラ
日立が目指しているのは、刻々と変化する社会インフラの状態をフィジカルAIが把握し、人が都度介在しなくても自ら改善し進化する「自律進化するデジタルインフラ」である。この現場を革新するデジタルサービスは、企業が生み出す価値を飛躍的に増加させ、将来的に社会インフラを動かすOSになり得ると展望する。
その中核となるのが、誕生10周年を迎えたソリューション「Lumada」の最新展開である「Lumada 3.0」を牽引するフィジカルAIサービス「HMAX」だ。HMAXは現場の機器からデータを収集・分析し、継続的に運用を改善するリカーリング型のサービスである。鉄道事業での先行事例では、日々運行する車両のデータをリアルタイムで分析し、運行と保守の最適化により保守コストを15%削減する成果を上げている。
「IT、OT、プロダクトそれぞれの専門知識を有するエンジニアがチームを組み、お客様の現場に寄り添い、業務の高度化や運用、保守の効率化をご支援します。また、HMAXは、日立が持つケイパビリティを掛け合わせた真の『One Hitachi』によって開発されたサービスです」
適用領域は広がりを見せている。半導体分野の「HMAX Industry」では、測長SEMのデータをAIで分析し、Intelなどのパートナーとの共創を通じて開発期間の50%短縮や稼働率90%を目指している。エネルギー分野の「HMAX Energy」では、豪州の大規模蓄電池設備で稼働率向上や電力系統の安定化を実現している。HMAXは今年度末には売上5,000億円、利益率22%の事業へと成長する見込みだ。
「データセンター」と「サイバー」、AI時代の経営課題に対峙する
フィジカルAIの普及に伴い、それを支えるインフラ自体にも新たな課題が生じている。德永氏は社会インフラのさらなる革新に向けて、HMAXの新たなラインナップを発表した。
1つ目が「HMAX Data Center」である。AIの進化によりデータセンターは欠かせない社会基盤となったが、膨大な計算処理にともなうエネルギー消費の増大と運用の複雑化が運営企業の大きな課題となっている。この新サービスは、電力、冷却、ITを横断的に統合し、フィジカルAIによる自律運用と全体最適化を実現する。AI時代を支える社会インフラを、より賢く持続可能なものへと革新していく狙いがある。
2つ目が、AI時代の経営リスクに対峙する「HMAX Cyber」だ。フィジカルAIの時代において、サイバーリスクはIT部門だけの問題ではなく、事業継続そのものに関わる極めて大きな経営課題となっている。
「『HMAX Cyber』は、フロンティアAIと日立の実践知を融合したオペレーショナルレジリエンスサービスであり、あらゆるHMAXの共通ソリューションとして位置づけています。リスクの特定から監視、そして復旧までを一貫してご支援し、お客様が安心してAIを活用できる環境をご提供していきます」

AnthropicやOpenAI、Google CloudなどのフロンティアAIと、日立の現場ノウハウを融合させ、あらゆるHMAXの共通ソリューションとして展開される。これらのサービスを通じ、AIを支える基盤を作り、AI時代のリスクから企業を守る体制を整えていく。



