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【出張版】スタートアップの時代の終焉

「社会に良い影響を与えれば儲かる」という流れ―次のスタートアップのパーティー会場

第3回:次のスタートアップのパーティー会場を探して(前編)

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1.投資領域の変化

 VCは投資する先を探すときにアクセラレーターのDemo Dayから探すことも多く、アクセラレータが採択するテーマはある意味VC投資のテーマの先行指標になります。

 そして最も尊敬されているアクセラレータのY Combinatorでは、「ぜひ応募してほしい」というスタートアップの領域をRequests for Startupsという形で発表しており、2008 年ではかなりIT寄りだったテーマが、最近は様々な社会的な課題 — 教育、健康、雇用、恵まれないコミュニティ、多様性、都市問題 など— を含むようになってきています。(※Requests for Startupsのトピックは予告なくときどき変わります。最近はCities of Futureが追加されました)

Requests for Startups

 さらにY CombinatorはNPOへの支援を2013年から開始しており、こうしたY Combinatorや前述のRREの動きからも、徐々にスタートアップへの投資の文脈で社会的インパクトが重視されてきていることを感じます。

 イベントや周辺環境も徐々に変わりつつあります。SlushはImpactというトラックを設け、Slush Impact Global Accelerator Programを開始しました。また評価の高いアクセラレータであるMassChallengeも、スタートアップのインパクトを評価軸の一つにして様々なスタートアップを支援しています。さらにGitHubといったスタートアップまでもが、Social Impact部門を設立して、社会問題の解決を支援しようとしています。

 日本では孫泰蔵さんのミスルトゥなどが、そうした世界的なインパクトを重視するスタートアップ支援組織に当てはまるのかもしれません。

 また最近Kyuの傘下に入ったIDEOは、その発表の時にThe Next Big Thing in Designという記事の中で、今後のデザインの領域として、貧困や加齢、食料や政府のサービス、都市に関することなど、社会的な問題をデザインで解決する、という宣言がなされています。

様々な団体の投資分野様々な団体の投資分野

 このように様々なスタートアップ関係者が社会的インパクトに対して目を向け始めている流れがあるのではないかと思います。

次のページ
2.VC 投資家の裏にいる人達の変化

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この記事の著者

馬田 隆明(ウマダ タカアキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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