ハンズオン企業変革を専業とするコンサルティング・ファームであるアバージェンスが、厳しい外部環境のなかでも業績を伸ばすクライアント企業と共闘するなかで見出した成功の共通要因。それはメディア上で派手に扱われるような新規事業としてのイノベーションではありませんでした。私たちはそれを「Regular Innovationsのエッセンス」と呼びます。実際の事例なども可能な範囲で公開しながら、地に足の着いた、地味にスゴイ「Regular Innovations」を、本連載では事例と共に解説していきます。
イノベーション理論の源流にあるアバナシー教授の「Regular Innovations」を再考する
シュンペーターは、均衡を創造的に破壊して新しい経済発展を導く原動力としてイノベーションという概念を提示してくれました。微増微減を繰り返し伸びの止まった状態を「均衡」というならば、今まさに我々はその只中にいます。だから多くの企業がイノベーションに取り組んでいます。
イノベーションについては多くの識者が説いていますが、その一人であるハーバード大学の故ウィリアム・アバナシー教授はキム・クラーク教授とともに、横軸が技術(プロダクトとプロセス)、縦軸は市場(既存市場と新規市場)というシンプルな二軸を用いてイノベーションの4つの類型を示しました。このモデルは、一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授に教えていただきました。米倉先生のエネルギッシュな語りとともに強く印象に残り、それ以来、イノベーションを考える際のフレームワークとして参考にしています。
整理すると図表1のようになります。わかりやすくするために、少し手を加えシンプルにしています。では次のページから、この図を解説していきましょう。
図表1:アバナシー&クラークのイノベーション4類型
■引用文献:Abernathy, W. J., & Clark, K. B. (1985). Innovation: Mapping the winds of creative destruction. Research Policy, 14, 3–22.
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