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「ないものねだり」から「あるものさがしへ」──街づくりにSDGsを活かす鍵とは?

クリエイティブ・シティ・コンソーシアム主催 2017年度クリエイティブミーティング レポートVol.2

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 3月1日に開催されたクリエイティブ・シティ・コンソーシアム主催「2017年度クリエイティブミーティング」。SDGsの基本知識、国際的な潮流を説明する一般社団法人Japan Innovation Network専務理事の西口尚宏氏の講演と、事業にSDGsを取り入れる方法やSDGsの考え方を話し合ったパネルディスカッションに続き、2つめのパネルディスカッションでは「多摩川流域およびプラチナトライアングルにおけるSDGs」と題して、地域・まちづくりにおけるSDGsの連携可能性について議論された。登壇者は株式会社三菱総合研究所営業本部長の中村秀治氏(ファシリテーター)、世田谷区長の保坂展人氏、川崎市副市長の三浦淳氏、株式会社ヴォンエルフ代表取締役の平松宏城氏、株式会社風とつばさ代表取締役の水谷衣里氏の5人。その内容をお届けする。

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街が運営されていく様子を測る指標「LEED for Cities」や「 LEED for Community」とSDGsの関係性

 「クリエイティブ・シティ・コンソーシアム」は、日本が抱える多種多様な課題に正面から向き合いながら、人々が創造性を発揮できるクリエイティブ・シティを、二子玉川をモデル地区として整えようという企業などと共に設立された。現在は、二子玉川、渋谷、自由が丘を結んだ地域を「プラチナトライアングル」と名付け、このエリアにおけるクリエイティブ・シティの実現を目指している。

 環境に配慮したランドスケープの設計施工、植栽管理を行う株式会社ヴォンエルフ代表取締役の平松氏は、世界の発展の方向性が示されているのがSDGsであり、SDGsとESG投資は対になるものだと話す。ESG投資は、短期的ではなく長期的に維持可能な価値を求め、企業と投資家、企業と自治体が対話し連携していくことを要求しているが、その対話のキモになるのはデータと共通言語である。

平松宏樹平松宏城氏(株式会社ヴォンエルフ代表取締役)

 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業『二子玉川ライズ』は、東京急行電鉄㈱と東急不動産㈱と世田谷区とが連携し、水と緑と光の豊かな周辺環境と調和したまちづくり実現を目指しているものだ。2014年11月にLEED ND(まちづくり部門)としてはゴールド認証を取得した。LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)とは、米国グリーンビルディング協会による環境性能評価指標である。その目的は、エネルギー効率にすぐれ、持続可能な建築物を普及することであり、「二子玉川ライズ」は世界初の認定だった。

 しかし、LEED NDを取得したからといってそれで終わりではない。長期的に維持可能な価値があるかを確認するため、街開きをすることだけにとどまらず、街が運営されていく様子を測る指標LEED for Cities、LEED for Communityも生まれてきており、すでにアリゾナ州フェニックスやヴァージニア州アーリントン、韓国のソンド、イタリアのサボナなどが認証を受けている。

 LEED for Cities、LEED for Communityの評価の観点は、CO2や水質、廃棄物等の環境的なものだけでなく、社会的公正性、貧困やジニ係数、進学率等、社会的な項目も数多く含む。そこがSDGsとリンクする部分だと平松氏は伝えた。

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フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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