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消費の主体者を生物進化の視点から捉える「サピエンス消費」、4つの「進化本能モジュール」とは何か?

BizZineセミナーVol.1レポート後編:株式会社クロス・マーケティング水師裕氏&株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント 橋本紀子氏

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「進化本能モジュール」の4つのモジュールと分析例

 このように数百万年におよぶ進化の過程で形成された「本能」の視点を、できるだけ大まかに4つのモジュールにまとめることで、現在のマーケティングの問題、および新しいアイディアやコンセプトを生み出すヒントになりうるのではないかという。リサーチ&プランニングなどのフレームワークとしても活用できるだろう。

 つまり、人が魅力を感じる事象を読み解くことで「どのモジュールにどのように作用したのか」「その時何がトリガーとなったのか」という発想につながり、それを「どのモジュールにどのようにアプローチするのか」「その時どのようなトリガーであればいいのか」と逆発想し、人が魅力を感じる(であろう)事象を創出するというわけだ。

 橋本氏は「人が萌える事象」「人気となった事象」「時代」「時代のシンボル」などを4つのモジュールで読み解いて紹介した。その一つとして花見の事例を紹介しよう。

●生体維持モジュール(サバイバル)

  • 春本番を告げる花として、厳しい冬を乗り越えた生命力に感動
  • パッと咲いてパッと散る潔さに人生を重ねる人も

生体維持モジュール

●繁殖モジュール(ペアリング)

  • 桜の花の艶やかさに、春という季節も相まって性的・感情的なものを刺激する

繁殖モジュール(ペアリング)

●協力モジュール(コラボ)

  • 桜を愛でるために人が集まり、協力し合うという行為に一体感を感じる

協力モジュール(コラボ)

●神話信仰モジュール(信心)

  • 日本の国花的な存在であり、靖国神社の桜が基準木になるなど、特別な存在
  • 満開の桜に霊的なイメージを重ねてきたのではないか

神話信仰モジュール(信心)

 このように4つのモジュールを刺激する要素が強いために、花見という行為が脈々と続いているのでないかと橋本氏は分析する。そして、人気のある既存のものへの分析を行い、それをさらに分解し、逆回転することで「人が魅力を感じるもの」を創出するためのフレームになるのではないかという。他、ホットヨガや織田信長、高度経済成長などをモジュールごとに分析し、通常の分析では得にくいようなユニークな視点が得られることを紹介した。

 「事象の本質を捉えることは決して簡単なものではないが、『進化本能モジュール』によって『本能』に照らし合わせて対象を分析し読み解くことで、これまで見えなかった魅力や要素に気づくことがかなうのではないか。そこからさらにインサイトを掘り下げて洞察し、各モジュールに対応するトリガーを見つけ、提案すること。そのようなこと繰り返すことで、新しい価値ある商品やサービスを創出する。『サピエンス消費』のフレームを活用することで、リサーチやマーケティング、プランニングなどのヒントになれば幸いである」と橋本氏は語り、セッションのまとめとした。

 続くクロストークでは「具体的にどのような場面で『サピエンス消費』を活用するのか」という話題になり、水師氏は「リサーチなどで、定性的にふわっと聞いて後から構造化することが多いが、あらかじめフレームワークを入れておくことで網羅的に対象を掴みやすくなる」と解説。橋本氏も「調査する側の心の持ちようにもなる。定性的に深掘りする際に効果があると感じている」と語った。

 サピエンス消費の研究についてはまだ端緒についたばかり。今後、さらに要素の関係性や汎用性など分析解明され、ツールとしてもブラッシュアップされることが期待される。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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