誰もが「完璧なリーダー」を目指す必要はない
──長尾さんが本を書くことになった経緯を教えてください。
長尾:企業、行政、学校、スポーツチームなど、仕事柄たくさんの組織やチームを見てきました。その中には「イケてるチーム」と「イケてないチーム」があって、イケてるチームにはだいたい、完璧じゃないリーダーがいるんです。反対に、リーダーはイケてると思っていても、メンバーはすごく冷めていることがあって、そういうチームは「賢者風なリーダー」が君臨していることが多い。アクティビティをやるときにも、「よし! 今からみんな俺の言うことを聞け。お前は、これとこれをこうして……」というリーダーがいるチームは、楽しそうじゃないんですよね。愚者風リーダーがいるチームは、楽しく、素晴らしい成果をあげます。
こんな話をしていたところに編集者の佐渡島庸平さん(株式会社コルク 代表取締役社長)と出会って、彼が担当した漫画『宇宙兄弟』を読みました。すると、主人公の六太(ムッタ)がまさに愚者風リーダーなんですよ。