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藤幡正樹氏に聞く、21世紀の教養とは

西欧的思考で解決できない諸問題を解く「新しいシステム」を、日本は見出すことができるのか?

ゲスト:メディアアーティスト 藤幡 正樹氏【後編】

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現代において教養、アートが必要な理由

 近代ヨーロッパの啓蒙主義でもない、中華思想でもない、オルタナティブな知性──それを見つけるチャンスは日本にもあるはずだ。しかし藤幡氏は、日本はあまりにも無批判に欧米のシステムを受け入れていると嘆く。

小学校では当たり前のように国語、算数、理科、社会という科目をやるでしょう。でも、理科と数学を分けないという考え方があっておかしくないじゃないですか。図工と国語が一緒になってもいい。あのカテゴリーは、どうして生まれたのか考えたことがありますか? これも教育システムをヨーロッパからコピーしたときに失敗してるのだけれど、カテゴリーのことを日本では学科と言いますよね。フランスではそれをフィロって言うんですよ。小学校では国語のフィロとか理科のフィロがあって、中学校に入るとそれらを統合したフィロソフィー(哲学)になる。つまり、自分の人生を組み立てていくためのエレメントとして、算数や国語があるんです。ということは、単にお釣りの計算ができるかどうかみたいなことではなくて、問題の解き方を学ぶのが算数。要するにアルゴリズムを作る能力を育てるために算数があるわけです。僕はそういうことを、フランスの友達から聞かされてショックでしたね

 相対化、つまり当たり前だと思われていることを疑うためには、その当たり前の成り立ちや裏側を知る必要がある。藤幡氏の考える教養とは、そのような知識なのだ。

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