同じアジェンダでCxO同士が協働する「ワールドクラス」の体制へ
日置:資生堂のように、各ファンクション組織の中にファイナンス人材を配置し、グローバルで整合的にオペレーションしている日本の企業はとても少ないと思います。横田さんのお話を聞いていて、CxO体制が明確になっているという点が大きいのではないかと感じました。財務経理部門が弱い会社というのは、財務経理部門だけでなく他のコーポレート機能やCxOの配置が上手くいっていない傾向にあります。
この七角形の図は連載の第一回対談で入山章栄さん(早稲田大学大学院教授)と作ったもので、「ワールドクラスの経営」に不可欠な要素を表すものです。この左半分のどこかが機能しなければ、他も機能しなくなるのだと思います。逆にCEO、CFO、CHROに、CLO(リーガルオフィサー)も含むコーポレートオフィサーをしっかりと固めると、コーポレートが全体的に強くなっていきます。何か1つの機能だけを強くするだけでは不十分だし、効果を発揮できません。そういう意味で資生堂は、ワールドクラスに向かって各要素が上手くかみ合い、回り始めているのだと感じました。