モーセに学ぶ、適応型リーダーシップ──ケアにより「依存」ではなく「能力」を生み出す役割とは?
第6回ゲスト:ハーバード・ケネディスクール ロナルド・A・ハイフェッツ氏【後編】
適応課題に気づいた人は、どのようにリーダーになっていくのか
宇田川:『最前線のリーダーシップ』の中には、ハイフェッツ先生ご自身のエピソードもあり、その部分がとても印象的でした。ローシュ・ハッシャーナー(ユダヤ暦の新年祭)の前日に、歴史的にユダヤ民族の迫害者であったキリスト教のリーダーであるイエスとの精神的和解の経験に関するお話です。
この箇所を読んで、ハイフェッツ先生がユダヤ人としてのアイデンティティを強く持っていることを感じました。自分も聖書をよく読むものですから、ぜひお伺いしたいことがあります。それはモーセについてです。彼はおそらくユダヤ人の方々にとっては、理想的なリーダーの一人だと考えられているのではないでしょうか。しかし『出エジプト記』には、神から召命(calling)を受けた彼が、「自分はリーダーにふさわしくない」と断るシーンが2度ほどあったと思うのです。
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