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「ポイントよりも“便利”が選ばれる」リクルートMUFGビジネスが顧客体験で目指すキャッシュレス推進

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 経済産業省がキャッシュレス比率80%を目指すとしてから5年が経とうとしてます。様々な企業が決済サービスに参入し、ユーザーは多様な決済手段を手にしましたが、一方で店舗側には新たな課題が生まれています。今回は、株式会社リクルートMUFGビジネス 代表取締役社長の夏目英治氏に、店舗の課題解決のための新たな決済ブランドと、キャッシュレスが普及した先の新たな顧客体験について伺いました。

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リクルートと三菱UFJ銀行が共同で取り組む理由

──リクルートMUFGビジネスは、リクルートと三菱UFJ銀行の共同出資で設立されていますが、どのような経緯で立ち上がったのでしょうか。

夏目英治氏(以下、敬称略):私の出向元がリクルートということもあり、まずはリクルートを主語に説明します。

 リクルートは求人広告からスタートしており、そこから「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」のような集客、Webやアプリを用いたマッチングサービスと形を変え、今では「Air ビジネスツールズ」による中小企業の業務・経営支援サービスまで拡大しています。「Air ビジネスツールズ」の中に「Airペイ」という、クレジットカード、電子マネー、QRなどに対応した決済サービスがあり、2%台後半~3%台という安い決済手数料で提供していることもあって多くの企業に導入いただいているのですが、今後、その手数料すらも多くの導入企業の重荷となる可能性があることがわかります。経済産業省が2018年に発表した「キャッシュレス・ビジョン」で、当時約20%だったキャッシュレス比率について、2025年に40%、将来的には80%を目指すと宣言したのです。全体の8割の支払いでその手数料が発生することは、リクルートのクライアントたちにとって死活問題となります。日本のキャッシュレス推進は不可逆なので、キャッシュレス比率が高まる中でもリクルートのクライアントが事業を継続できるよう、手数料の安い決済ブランドを作らなくてはならないとして、この事業の検討を開始しました。

 金融サービスを検討するにあたって、「お金」に関して全国でグループインタビューを実施したところ、ほとんどの方が“安心感”“ブランド”をとても重視していることがわかりました。そこで各メガバンクに相談させていただき、その中からタイミングやキャッシュレスへの考え方が合致した三菱UFJ銀行さんと一緒に合弁会社を設立するに至りました。

──三菱UFJ銀行さんはどのような思惑で参画されたのでしょうか。

夏目:三菱UFJ銀行さんにとっては「キャッシュレスの推進」が一番大きな目的だと聞いています。銀行は現金輸送やATMの維持などで年間数千億円かかっており、そのコストを削減するためにもキャッシュレスの推進に力を入れようとしているのです。また、消費者や企業との顧客接点の確立、いわゆるBaaS(Banking as a Service)の入り口としてキャッシュレスを捉えているのではないでしょうか。

 ただ、この事業で他行を排除するという考えは三菱UFJ銀行さんにもなく、実際、私たちが提供している「エアウォレット」では、三井住友銀行さんやゆうちょ銀行さんなど27行と連携できるようになっています。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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