投資家としてプロダクトへフィードバックし伴走する
麻野:私はセールスフォースという会社が大好きです。創業者のマーク・ベニオフが書いた『クラウド誕生』(ダイヤモンド社)は何十回も読んでいますし、ほとんどのページに付箋をつけています。知識を書いているだけではなく、物語になっています。私はそれにわくわくして、前職でモチベーションクラウドを立ち上げました。その後、サンフランシスコを訪れた際には、建設中のセールスフォースタワーが市内でもっとも高いビルになっていました。私もこのような会社をつくろうと思いました。今、セールスフォースの時価総額は30兆円弱です。そう考えると、私はまだ一歩目を踏み出したぐらいですね。
私が実現したいのは、働く人が努力次第で成長できるような世界です。そのためには、複数のアプリケーションを組み合わせなければなりませんが、今はそのパーツをつくっている段階です。現在はナレッジについての事業をしています。資料がすぐに見つかり、使えるようにサポートをしているという感覚です。しかし、それだけでは足りません。イネーブルメントに必要なそのほかの領域、具体的にはラーニング、ワーク、ピープル、そこのアプリケーション群を、独立したソフトウェアとして仕上げ、しかも滑らかに繋げていくというのが今後の私の目標ですね。