SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

組織が進化するリスキリングの本質

なぜ我が社はリスキリングに取り組むのか? 4つのステップで進める「自社にとってのリスキリング定義」

第2回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 リスキリングの本質を見極め、実際に推進していく際のポイントを解説していく本連載。前回は、リスキリングとは「事業の戦略転換に合わせて人的資源を変えていくこと」であり、推進する上で大切なことは、スキル定義に基づいて組織の要請をしっかり行うこと、そして「大人は必要と感じた時に必要なことを学ぶもの」という出発点に立って、施策を企画・実施することであると解説。加えて、リスキリング推進ステップの全体像を整理しました。第2回となる今回は、その最初の推進ステップとなる「自社にとってのリスキリング定義」についてお伝えします。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

自社にとっての「リスキリング定義」推進ステップ

 リスキリングは、組織の環境変化への対応が起点として行われるものです。よって、事業の方向性を踏まえて対象者ごとにスキル定義を行うことが重要となります。最初に、そのための推進ステップの全体像をお伝えします。

 リスキリング定義は次図に示す通り、4つのステップで検討します。

【図表1】自社にとっての「リスキリング定義」の推進ステップ©Recruit Management Solutions
【図表1】自社にとっての「リスキリング定義」の推進ステップ
©Recruit Management Solutions
[画像クリックで拡大表]

 ポイントは、事業の変化度合いの検討から始まり、次に特定職種に求められるスキルの変化度合いの検討、そしてスキルの網羅性の確保、運用を見据えたスキル定義というように、「事業 → 職種 → スキル」とつながりをもって対象を絞り込みながら検討していくことです。

 それでは、順を追って各ステップの詳細を見ていきましょう。

STEP1:事業の変化の度合いと影響の検討

 このステップでは次図に示す通り、外部環境・事業戦略・職種の3つの観点で、As Is(これまで)とTo Be(これから)、それぞれについて言語化することで、事業の変化度合いとその影響を検討していきます。

【図表2】STEP1:事業の変化度合いの検討©Recruit Management Solutions
【図表2】STEP1:事業の変化度合いの検討
©Recruit Management Solutions
[画像クリックで拡大表]

 まず、起点は外部環境変化であり、この変化を受けて事業戦略がどのように変わるのかを言語化していきますが、事業戦略の変化の度合いは、おおよそ以下の3つに分類できます。

  1. 事業・業務の生産性向上
  2. 既存事業の付加価値向上
  3. 新規事業創出

 自社の事業戦略の変化がどれに近いのか、あるいはどのウェイトが最も大きいのか、あたりをつけていきましょう。

 その上で、事業戦略の変化を推進していくにあたり、特に仕事の内容や人員数に変化が出るのはどの職種かを検討します。この際、思い切って対象となる職種を絞っていくことが重要です。

 もちろん、個別に検討を重ねた結果として全社員にリスキリングを要請していくことになる可能性はあるでしょう。しかし、戦略の変化を推進していくためにキーとなる職種は何かを特定することで、組織から従業員に要請する際に必要性をしっかりと伝えられ、受け手としても実践に活かしやすくなります。人事施策はつい一律に、と検討しがちですが、それでは「なぜこのリスキルが必要なのか?」という問いについて、一部の従業員の納得を得られないというケースに陥りやすいのです。

 具体的な事例を交えながら解説します。あるメーカーでは、産業全体が技術革新に伴う大きな構造変化の真っただ中でした。しかし、既存事業にも需要があることで当面は事業が成立する見込みがあったため、新規事業創出に向けてリソースを投下しながら、既存事業・業務ではリソースを維持・縮小しつつも生産性を向上させることを事業戦略に掲げていました。

 つまり既存事業の生産部門には、DXが進む中、より少ない人員で今まで通りの生産性を維持していく、という大きな変化が求められていました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
STEP2:具体的なスキルの変化度合いの検討

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
関連リンク
組織が進化するリスキリングの本質連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

奥野 康太郎(オクノ コウタロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング