富士通とマイクロソフトは、顧客のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を推進するクラウドソリューションの開発および提供に向けた5年にわたるグローバルパートナーシップを締結した。
同パートナーシップを通じて両社は、富士通の社会課題解決に向けたグローバルソリューション「Fujitsu Uvance」を拡大させ、2025年度に同ソリューションにおける年間売上7,000億円の目標達成に向けてビジネス成長を加速させるという。
また、マイクロソフトは、「Microsoft Azure」「Microsoft 365」「Microsoft Dynamics 365」「Microsoft Power Platform」「Viva」などのクラウドプラットフォームの技術やサービス、ノウハウを富士通に提供。富士通の製造や流通、ヘルスケア、公共分野における業種ごとの知見とコンピューティングやネットワークなどのテクノロジーをクラウドに統合することで、ソリューションを共同開発するとともに顧客に提供する。これにより、事業環境の変化への対応や組織変革、サプライチェーンの構築を支援するとしている。
Fujitsu Uvanceにおける重点注力分野のうち、具体的な取り組みを進める分野は以下のとおり。
- Sustainable Manufacturing:自然災害や地政学的リスク、パンデミック、原材料価格の変動といった環境の変化に製造業の顧客が対応でき、復旧可能なサプライチェーンの構築を支援するリスク可視化ソリューションを、「Microsoft Cloud for Sustainability」を活用して共同開発する
- Consumer Experience:増加する消費者の需要に対応できるスマートリテイルソリューションを開発することにより、流通分野の事業運営を支援。食品ロスを防止するショッピングや、消費者のサステナブルな志向の高まりに対応できるソリューションを提供
- Healthy Living:マイクロソフトのクラウド技術を活用することで、世界中の医療分野において患者のデータを保護、医療の質を向上し、医療機関の運営を最適化できるよう支援。病院の電子カルテと患者データを連携させ、医療の質を向上させるクラウドベースのプラットフォームと医療機関の運用を最適化することで、医療従事者の負担を軽減する生成AIをはじめとするAI技術を提供
- Trusted Society:物流危機、地政学的リスク、天候や自然災害、パンデミックなどの世界的なサプライチェーン危機に対応するソリューションを開発。製品の調達と輸送を追跡し、需要予測を提供するとともに、CO2排出量の可視化などのサステナビリティに関する目標達成を支援
富士通は今後、同ソリューションの展開を加速させるため、マイクロソフトと協力して、今後5年間で日本、ヨーロッパ、アジア、およびアメリカなどの全リージョンにおける2,8000人の従業員に対して、各分野のソリューションや「Microsoft Cloud for Industries」のクラウドセールストレーニングなどの教育や資格認定を進めるという。